北欧生活研究所

北欧在住11年。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークでの口頭試問の受け方

デンマークを始めとした北欧の大学では、学部レベルから試験で口頭試問がある。授業の最終評価方法は多種多様で、レポート提出や選択肢式テスト、筆記テストばかりでなく、口頭試問や、持ち帰り試験(与えられた課題を指定の時間ないに解き提出する。24時間と…

デンマークの教育は「自分探し」の旅

過去数カ月にわたり、デンマークの教育とイノベーションの関係を模索していた。デンマーク人は創造的だと言われることが多いし、没頭してとてつもない飛躍を遂げたり、少し外れたアイディアを一生懸命追求し身を結ぶことも多いように見受けられる。面白いこ…

デンマークの病院のサービスの質について

デンマークの病院に当事者として関わることが多々あり()、それなりにデンマークの医療について一家言出てきた今日この頃。特に、病院におけるサービスについて、色々と考えるので、それについて備忘録として記録しておく。 手術前のブリーフィングjournalopt…

ノルウェー人の常識

再びノルウェーNRK製作のKampen om tungtvannetの話。この作品、ノルウェーNRK製作だけれども、ノルウェー語英語ドイツ語が入り混じり、一見ノルウェー製作だとわからない。だから初めは、特にノルウェーが作ったことに注意を払ってなかった。 ノルスク・ハ…

コラボレーションの歴史

いろんな知見を持った人が集まり一緒になって課題解決に取り組むということ(利害関係者間の協調作業/コラボレーション)が、非常に得意な北欧の人たち。利害が必ずしも完全に一致しない場合でも、議論をしつつ解決策を見つけていく。毎日の生活の中でそんな姿…

タンポポと日本人

タンポポが咲き始めると春が近づいてきたと日本では思うかもしれない。梅の花や桜なんかもそうだろうか。以前とある記事で「桜の花に郷愁を感じられない自分」「自分は鮮やかな花の方が好きだ」という海外育ちの日本人の話を読んだことがある。ある特定のも…

発生から約250日後にようやく手術

デンマークも先端国家の一つで、医療技術や措置に至っては安心できる、んだろうとおもう。この見上げている天井が半分壊れているとか、建物が吹きっさらしの草原に建てられ、外の風が感じられるテントだとか、そんな状況での手術でないことにただひたすら、…

New Nordic Foodと蘭子と蝶と闘争

デンマークのフード周りは、最近賑やかになっている。星を取るレストランも増え、海外から注目もされるレストランなんかも増えてきた。日本の「ユズ」や、「旨味」と言った言葉が聞かれるようになったのも最近だ(デンマークの食事情)。そんな新しいデンマー…

デンマークの学校では親が教師になる日がある

"Parents Teacher Day!!"なるもののメッセージが父兄SNSに小学校1年生の娘の担任から送られてきたのは、1ヶ月ほど前だっただろうか。 木曜日から来週の月曜日まで、教師研修旅行でイタリアのフィレンツェに行くそうで、木曜日は、「保護者が先生になれる日…

lost in translation

海外で生活していると、時折、社会文化背景の違いや認識の違い、価値観の相違によって、深〜い勘違いをすることがある。このlost in translationは、11年目を迎えた現在でも、その存在を忘れた頃にやってきて私を脅かしてくれる。時には、取り返しのつかない…

未来の図書館の姿 その2:Ørestad biblioteket

考えるところあって、大学の近くにアマー地区(Amager)に位置するØrestad(ウアステット)図書館に行ってきた。最近図書館によく行くのだけれど(DOKK1未来の図書館の姿?!とか)、これもその流れの一つ。 Ørestad図書館は、面白いロケーションにある公立図書館…

デンマークのリビングラボ

昨年末に執筆した記事が、デンマーク日本人会の会誌に掲載された。題して、「福祉テクノロジーを醸成、リビングラボの挑戦」。デンマークにおける福祉テクノロジー事情と新しい実証実験のカタチ「リビングラボ」について執筆したものです。見開き2ページの…

UXマインドを組織に埋め込むには-レゴ編

LEGOのUXシニアアーキテクトから、レゴ内部にいかにUXマインドを埋め込み、IT開発に活用できるような文化を創り出していくか、ということに関して話を聞いた。 デザイン手法を導入するのは、特に大企業が対象の場合は、長期計画で進めていく必要があるだろう…

コペンハーゲンの草の根教育

デンマークの国民学校(義務教育の小中学校)は、朝8時から12時半(早くて)、もしくは遅くて14:30に終わる。男女ともに働く社会デンマークには、そのあと学童が提供されていて、この学童(SFOと呼ばれる)は17時に終了する。デンマークの教育費は無料と言われるけ…

デザインドリブンから揺れ戻し

最近周囲のイノベーション関連組織(大学のインキュベーションやイノベーション推進組織)では、再度、理工系(STEM)分野への注目が集まっている印象を受ける。個人的な主観ではあるんだけれども、今まで私の周辺で見られていた「デザインシンキング」「今ある…

良い写真ばかり使ってはいけない

コペンハーゲンビジネススクールのウェブ(CBS.DK)改良に関わっていた同僚に聞いた話。 www.cbs.dk 最近、コペンハーゲンビジネススクールでは、ウェブサイトの改良を行ったのだが、写真の選定には非常に注意をはらったという。 ウェブに出てくる写真などは、…

アジア人の見分け方

(写真はプール併設のカフェ。本文と全く関係なし)最近娘が水泳にはまっていて、時折近所のスポーツセンターに泳ぎに行く。家族皆で行くこともあるし、娘と二人で行くこともある。3歳の息子が一緒の場合は、浅い子供用プールだ。子供用プールも何種類かあって…

人は変わらないのか?

文化は気がつかないうちに、肌の隙間から入りこんでいく。だからこそ、海外の生活で自分は変わらないつもりでも、いざ母国に帰国してみると、違和感があったり、考えに変化が生じていることがある。そんなことに気がつかされて、日本滞在の折は、自分の知ら…

未来の図書館の姿?!

デンマーク第二の都市オーフスにDOKK1と呼ばれる複合施設が出来た。海岸沿いの冬は海風で大変寒い風光明媚な場所に、美しい近代建築がそびえ立っている。この景観素晴らしい立地に建てられたのは、オーフス市の市民サービスセンターや図書館、イノベーション…

コーディネーションメカニズム

同僚のデンマーク人研究者は、大学の代表として地域の高校(デンマークの高校は基本的に公立)の執行役員(ボードメンバー)を務めている。これは、新興開発地区である大学の立地にも大きく関係しているのだろうが、地域に高校が新設されることに決まった時、IT…

ドリームチームの創り方

現在ITUで受け持っている授業の一つでは、1セメスターかけて、学生チームが新規事業や現在抱えている企業の課題をデザインする。授業の半分はセオリーで、残りの半分はその知見を活用した実践だ。学部学生の授業に、コミットしてくれる企業が多々いるのも非…

オープントーク

Mr. Darcyは、自分の身内に起こった不幸な出来事を公にしないことで家族の名誉を守ろうとしていたけれど、そのMr Whickhamの悪事を他の人が知る機会を作らなかったがために、結局同じような出来事が主人公の妹に降りかかることになってしまった。 最近、イギ…

お別れの作法

土曜日の明け方、夜明け前、4時間車を走らせて、デンマークの最西ユトランド半島のStruerに向かった。友人の父親のお葬式に参列するためだ。正確には旦那の幼馴染のお父さん。以前、迷った末祖母のお葬式に駆けつけず、あとから後悔した思い出があるので、迷…

ユーザ参加がいつもうまくいくわけではないという事実

北欧の参加型デザインやCoDesignの話をすると、「いゃ〜そんなの日本では無理ですよ」という反応を示されることがある。立場や目的の違う人たちが集まって解決策を考えるという枠組みに、日本のしがらみやら、上司と部下の関係やらが頭に浮かんでしまうのだ…

ウプサラでは、2度よりマイナス20度が好まれる

人の価値観や感覚は、時に想像の域を超えることがある。男女でも異なるし、分野が違う人も異なるし、更に日本とスウェーデン文化のような民族的な違いも大きい。ウプサラは、ストックホルムより北に40分ほど特急電車で行ったところにあるが、今回ウプサラ訪…

ウプサラのイノベーションエコシステム

イノベーションが生まれる場所には、どんな特徴があるんだろう。参加型デザインは、かつてワークショップなどでの多様性を活用したイノベーションの手法として、興味深い対象と思っていたけれど、今、より長期的な視点でイノベーションを起こすための仕組み…

google サーチの限界

コペンハーゲンで雪が降った。雪が降って、ソリ遊びしたいという子供にせがまれていくコペンハーゲンっ子に人気の場所、Frederiksberg have. フレデリクスベアの市民の憩いの場だ。夏は芝生に寝っ転がる人で溢れる、春と秋はランナーが。そして冬は、散歩の…

デジタルの受容度

デンマークは先進国の中でも、特に社会において電子化が進展している国の一つだ。デジタルリテラシーも総じて高いと言われ、情報弱者は、8-90代のシニアや身体精神障害を持つ人8%ほどの人たちと言われる。 デジタル化の文脈では、例えば金融系の動きは面白く…

デンマークのロト事情

デンマークのロト状況について知る機会があった。ロトとは、いわゆる数字選択の宝くじのこと。ロト協会があったり、ギャンブル依存症協会(依存から脱却するための支援機関)がある所は、ほんとデンマークっぽいのだけれど、さらにザ・デンマークなのが、デジ…

ローカライズの種類

我が家の最寄の駅の一つにHellerupという駅があるのだけれど、その駅の西口(という名前があるわけではないけれども西側の出口)側に、'CAというテイクアウト専門のイタリア料理屋がある。この店は、デンマーク唯一の寿司屋Selfishと似たような店構えで、メイ…

忘れさられないために物語を語る

日本でも最近上映されているWoman in Gold(日本語では「黄金のアデーレ名画の帰還」なんて訳されている)は、最近観た映画の中で秀逸だった。 ちょっとアメリカっぽい印象をうける映画なんだけれども、これを見た時に、欧州におおけるナチの影は、まだまだ消…

デンマークの個人主義と自由へのこだわり

2015年12月3日、デンマークにおいてEU司法・内務協力の留保撤廃に関わる国民投票が実施された。結果、投票率72%(6月の総選挙は84%だったから、投票率低い?)で、賛成46.9%、反対53.1%だった。 否決されたことが何の意味を持つんだろうと、欧州に住んでいても…

外国人の私が意識調査を依頼される時

自宅に着いたらオルボー大学から封書が届いていた。オルボー大学とは今まで何も関係がなく、何が起こったのかと封書を開けてみると、同封されていたのは、とある社会学?の教授からのレターと日本語とデンマーク語2通のアンケート用紙だった。このアンケート…

Rasmus SeebachのØde øと娘

デンマークの男性ボーカルRasmus Seebach。甘い声のこのRasmusの曲Øde Øを知ったのは、娘の学校の夏祭りでだった。(小)学生が声を合わせて歌ったこの歌、私には、所々の単語しか理解できず、単語で聞く歌は、内容が頭に入ってこないから、内容はよくわからず…

物語を紡ぐ

デンマークに来たばかりのころ、情報システムのデザインの文脈でストーリーテリングやら、物語性といった言葉をよく聞いて、関連性が分からず混乱した覚えがある。システムの話をしているのに、なぜ文系的な物語なんだ?なぜ、ストーリに組み込む必要がある…

デンマーク医療にまたしてもやられた...ている

以前の長〜い投稿(デンマークのインター幼稚園)に予想外に多くのコメントをもらった。心地いい体験ではなかったし、一般公開したい経験というわけでもないけれども、多くの方に私の体験を伝えられたのは、よいことだったと思ってます。そしてなんらかの賛意…

デンマークのインター幼稚園

怒涛の一ヶ月がようやく終わりを迎えようとしてる。おそらく。そうなって欲しいというのが、正直なところかも。 今日、息子が、新しい公立幼稚園に入園した。Yosukeが歩いて回り、一番おすすめと言ってた幼稚園に、遠まわりしたけれど、結局入園することにな…

デンマークで最先端のIT活用組織とは?

デンマークは、1968年に個人番号制度を導入して、それ以来、国民が関わる医療保険、教育などの各所で、情報システムが導入されてきている。 なかでも税務局(skat)はその先端をいき、新しいITソリューションを積極的に取り入れてきている。そもそも、デンマー…

親が無償で社会貢献することについて

先日、娘の学校で社会貢献デーがあり、最終日がチャリティランだった。大人も子供も75クローネ均一で、収益金は赤十字を通してシリア難民に渡される予定だ。この10日間、娘は朝8時から2時までの短縮時間で、しかも時には10時から14時までという、働いてい…

冬にデンマークの幸福度を上げているもの

晴天の続くコペンハーゲンだけれど、冬は確実に近づいている。早朝は、手袋したい気分だ。北欧の冬は、快適な過ごし方を知れば、皆が恐れるほど悪いものでもない。そのうちの一つは、暖炉。この時代、完全クローズ型(暖房機能はあるけれど、木が燃えているの…

ニューノルディックフード、ゼラニウム再び

北欧の秋を味わいに、久しぶりにゼラニウムGeraniumへ。 このレストラン、世界的にも有名な新北欧料理nomaと6年前ぐらいは肩を並べていてゼラニウムかnomaか、と言われていたと記憶している。おそらく今でもそれなりに評価されている正統派、新北欧料理のレ…

デンマークから紙幣やコインが消える?!

9月15日のデンマーク日刊経済紙ボアセン(Børsen)の見開きで「決済システムが現金を墓場に葬る(Betalings-apps vil sende kontanter i graven)」と題した記事が掲載されていた。 この記事、デンマークで利用が急速に伸びているモバイルペイなどの少額決済市場…

デモと観光客

たまたまコペンハーゲン市庁舎前広場を通ったら、デモのノボリが立ち並んでいた。あぁ、また何かやっている、と思って見ていると、観光客に団体が青空のもと、美しい煉瓦造りの市庁舎をバックに楽しげに記念撮影していた。もちろん観光客はデンマーク語で書…

ウチとソトの温度差

英語系の海外メディアや大手メディアで報道されているデンマークのシリア難民対応は、かなり手厳しい(これhttps://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2015/09/07/denmark-places-an-advertisement-in-lebanese-newspapers-dear-refugees-dont-come-…

どこまで人を信じられるか

幸せの評価軸はなんだろうと、デンマークにいると考える機会が多い。一般的なデンマーク人は幸せ感じていると言われるけれど、私は彼らと人生を取り替えたいと思うわけではないし、彼らが幸せなのを喜ばしいとは思うけれど、やはり自分の軸とは異なるようだ…

Sky Labを使ってみた

コペンハーゲン北部のリュンビュと呼ばれる町にあるデンマーク工科大学(DTU)。理工学系の学生への起業家教育に力を入れている昨今だけれども、sky labは、目玉の箱の一つ。いわゆるファブラボで、メンターが常駐する起業家塾の役割も担う。イベントも盛んで…

新産業を興すための仕組み

最近、デンマーク工科大学(DTU)のSkylabと呼ばれるインキュベーションセンタのセンター長、Mikkelや起業家プログラムの授業を過去20年ほど教えているJohn教授などと、お話しする機会があった。 このSkylab、DTUの学生であれば、誰でも使える場として作られ…

デンマークの公共空間が素敵なわけ

デンマークを含め北欧に来た人が驚くことに、公共空間が整備されていること、図書館や大学といったような公共空間に、良いモノが使われているということがある。確かにデンマークの公共空間や公共建築は、一流のデンマーク建築事務所のデザインで、色合いが…

2015年、デンマークの国政選挙概観

ほぼ満期が近づいてきた2015年6月、国政選挙が実施された。満期の2015年11月まで、のこすところ数ヶ月だったのだが、再選を狙うヘレ・トーニング首相は、程よいタイミングを狙い(かつ夏休みにひっかからないように)、5月末に、総選挙が告示された。 政権交…

まるで森の中に突然現れたかのような

以前より行きたいと思っていたレストラン56°に、天気のよい初夏の風に吹かれつつ行ってきました。王立建築学校などがある古い倉庫を活用した雰囲気あるエリアの一角にある小さなお家。こんな風がそよそよ吹いて、日差しが優しく陰を伸ばし、目の前をカモや白…