北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

ゴミ問題はとホームレスによって解決?

私の敬愛する方の主催する「構想日本」が,定期的に出しているメーリングリストで,日本のゴミ問題について触れていた.日本で生まれ,アメリカで生活し,現在Scandinaviaにいる身として感じるのは,人のゴミに対する習慣の違い.意識が高いかということもゴミ問題を考える上では大切だけれど,無意識に行っている習慣は,ゴミ問題へのインパクトが強いのではないかと思う.
私が日本に住んでいた時は,分別などしていたけれど,私の住む杉並区が特に真剣に取り組んでいるからだったにすぎない.そういえば,少々住んだことのある京都では,全く分類されていなかったし,東京のお隣,横浜でも分類せずにゴミを出していた.
アメリカでは,ほぼ分類はなし.特に気になったのは,紙の使用量とゴミの排出量.レストランでもペーパータオルを使うところがほとんどだし,カフェでは,お皿は紙,ナイフやフォークはプラスティック.ペーパータオルは各自,一人で10枚ぐらいがさっと持っていく.どう考えてもゴミの量増えるよね...
一方,Malmoでは,分別がかなり細かい.今住んでいるアパートには,ビン,缶の収集箱がおいてあるし,通常のゴミは,資源ゴミと普通のゴミに分類される.外を歩くと,巨大な分別ゴミ箱が鎮座している.スーパーには,瓶缶ペットボトルの収集ボックスが備え付けてある.これは,実は優れもので,リサイクル可能な各種ゴミを持参するとその量に応じてチケットがもらえる.例えばペットボトル2本で,チケット一枚,などのように.カフェではもちろんステンレスのナイフとフォーク.ナプキンは紙だけれど,皆一枚取るだけ.
社会の仕組みがそうなっているからだ,とか,皆がするからと言ってしまうのは簡単だけれど,そうしやすいような環境が整っているというのは見逃せない.
ちなみに,Malmoにはホームレスが所々にたむろしていますが,彼らはビンや缶,ペットボトルを集めて回っています.もちろん,その日のビール代を稼ぐため(?).少々不快な時もありますが,もしかして彼らは,自然保護とゴミ問題に大きく貢献しているのではと思うのです.めんどくさがって分類しない不届き市民の代わりに,分類して回ってくれているのですから.