北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

コペンハーゲンの人魚の像

世界がっかり三景の一つに,コペンハーゲンの人魚の像がノミネートされているらしい.結論から言うと,私はがっかりしなかった.大して期待しないで行ったからかもしれないけれど.

人魚の像は,イメージ通りの雰囲気の中にいる.広い海原にぽつんと海を見つめている人魚像.小さい像だからそこだけ切り取ったら,確かに少々寂しく感じるのかもしれないけれど,彼女の物語がつたわってくるいい景色.

周囲との調和がなくて景色を切り取ったような場所(例えば,人魚が工場地帯の海岸に座ってるとか)に比べたら,どこを切り取っても申し分ない,景色にとけ込んだ人魚の像は,すばらしいと思う.

景色と建築,自然と芸術作品がとけあうってなかなか難しい.京都で,お寺に行くと「借景」なんて言葉をよく思い出していたけれど,似たような考え方かもしれない.すべてが切り取る事ができない要素になっている.

「絵を切り取ったような景色」などと2-Dや部分だけで表現できない景色は沢山存在するんだ.