北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

ソーシャルリアリティ

語学学校で、初心者向けのデンマーク語の本を借りる事が出来ます。初心者向けなので、読みやすくてよいのですが、内容は非常に不満。
この間借りた本"Alene" (ひとりぼっち)は、ひどかった。内容は、単純。

結婚して24年目のPerとInge夫婦の話。子供も3人育てた。奥さんIngeが家でご主人の帰りを夕飯の支度を終えて待っている。7時に夕飯と約束したのに旦那Perが帰ってこない。最近、仕事が忙しく、よく夜遅くなる。なかなか帰ってこないので、会社に電話してみたが、会社にもいない。2時間経っても帰ってこない。怒りながら、それでもPerを待って、一人でワイン一本空けてしまう。
10時過ぎに帰って来たご主人。忙しかったからもう寝る、というPerの服には、口紅と香水の香り。問いつめると、「離婚しよう。2年から付き合っている人がいる」、といってきた。泣き叫ぶIngeをおいて、Perは彼女の家に一緒に住む、と出て行ってしまう。
追い打ちをかけるように、彼女Metteから電話がくる。「私は、Perを愛している」というIngeに、Metteは、「私もPerを愛している。それに、Perはあなたを愛していない。愛されているのは私。」
空を見上げるInge。空には星と月が輝いている。あぁ、私は独りぼっちなんだわ。とつぶやくInge。

知り合いデンマーク人曰く、70-80年代に、Social Realtyといって、現実を直視させることが重要であると考えられるようになったらしい。学校の教科書に載っている物語は、「隣に住むオジさんは、アルコール中毒。お父さんは、仕事がなくて、お母さんはいつも泣き叫んでいる」なんていう内容だった。って、それ、国語の教科書?!

確かに現実を直視する事は、大切だけれど、子供に読ませたくない内容じゃない? 語学学校でも、デンマーク語もせっかく読むのであれば、楽しい内容の話、ひねった話を読みたいものです。もう少し、語学の進歩が見られないと難しいのかな。

ちなみに、他には、「子供が病気になる話」「精神異常の女性の話」「お父さんが出て行く話」なんかがあるらしい。(まだ、読んでません)