北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマーク式文化洗脳教育

先日、デンマーク人夫婦が子供を連れて我が家に遊びに来た。二人の子供は、一般的なデンマーク家庭の例にもれず、昼頃に学校が終わると子供を放課後施設(いわゆる日本の学童にあたりSFOと呼ばれる)に預けている。デンマークの義務教育は大抵昼に授業が終わってしまうが、親は共働きであることが多いので、授業の後は放課後学級に行き、親が迎えにくるのを待つ。学業が始まる前は、保育園や幼稚園に行っている訳で、5時ぐらいまで施設で過ごしてきた訳なので、義務教育に進み、同じように親が仕事を終えて帰ってくるのを施設で待つということは、特に子供から見ても、不安や不満はないのかもしれない。

デンマークでは、子供を出産すると半年から1年間ほどの育児休暇を取る人が多いが、これは裏を返すと乳幼児は半年ぐらいから1歳ぐらいの間に保育所に預けられるということになる。6ヶ月から1年経つと仕事復帰する人がほとんどで、しつこいけれども6ヶ月ぐらいのベイビーの面倒は、他人が見ることになるのだ。だいたい7−17時ぐらいまで。

彼らの話を聞いて知ったのは、彼らの子供は、フレデリックスベア(コペンハーゲンの一区画。コペンハーゲン市内に隣接した独立した市)のアクセントで話すこと。親は、ユトランド半島出身者なので、彼らのデンマーク語はコペンハーゲン訛りでもなければ、フレデリクスベア出身ではないので、フレデリクスベア・アクセントを使うこともない。

親といる時間よりも、幼稚園の先生と交流している時間の方が、そして、地域の放課後施設で友達と話す時間の方が長い子供はたくさんいるだろうと思う。つまり、子供は親の発音や話し方を真似て育つというよりは、育ったコミュニティの話し方を覚えるということになるだろうか。おそらく、電話で、母親の友達に母親と間違えられていきなり話しかけられたり、「お母様かと思ったわ、おほほほ...。ごめんなさいね。」って言われる事もないわけだ。

社会が子供を育てるんだな、と、妙に考えこんでしまった。