キャンドルライトの季節
冬時間がはじまって、一時間一週間前よりも遅くなっているはずなのに、どうしたことか、朝起きる時間になっても暗い。朝の空気を感じて、目を開けようか悩む時に、あまりにも窓の外が暗いので、時間確認したくなくて、まだ目覚めていない振りを自分にしてみるのだけれど、やはり自分はだませない。
外暗いね、と少しダウン気味に言う私に、
軽い調子で彼は言う。
キャンドルライトの季節だね。
デンマークでは(って、住んでいるのはスウェーデンだけれど)、朝でもキャンドルを灯す。暗闇の中始まる朝だけれど、少しだけ彩りが加わる。
キャンドルライトは、家の中の暖かい雰囲気をイメージさせるし、クリスマスの時期の、音一つ聞こえない彼の田舎を想像させる。ピーンと張っているような澄んだ空気の中、暖かい家の中に、赤と緑で彩られ、ニッセがあちらこちらにいるクリスマス。暗くて寒いはずの冬だけれど、楽しくなってくる。