北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

New Scandinavian Cooking

未曾有の経済好景気を経験し、毎日の生活に豪奢な贅沢品が満ち溢れ始め、ようやく食に目が行き始めた食文化発展途上国デンマークデンマーク・グルメで書いたように、デンマークでは料理への関心が高まっている。テレビでは、数々の海外発料理番組が放映されているが、中でも最近注目を集めているデンマーク(スカンジナビア)発の料理番組が、このニュー・スカンジナビア・クッキングNew Scandinavian Cooking

偶然番組を見て、そのおいしそうなスカンジナビア料理映像に食欲が掻きたてられた。リム・フィヨルドの牡蠣とナビゲータ役の方のお手製のリンゴ酢シロップのおいしそうなこと!リム・フィヨルドの牡蠣は、知る人ぞ知る西ユランドの名産。今までは食文化砂漠であったデンマーク市場に流れるよりは、フランスなどに送られることが多い様子。そのすばらしいナビゲータ役のデンマーク人男のしゃべりにほれ込み、スカンジナビアの美しい景色と、おいしそうな料理に目を奪われたひと時。こんな映像をみせられたら、誰でもスカンジナビア=食の楽園と考え、ピーター・マイヤーの紹介する南フランスばかりでなく、スカンジナビアにも住んでみたいと思わされるに違いない。私も一瞬、今の場所を離れてスカンジナビアに住んでみたい(本当は今住んでいるところがスカンジナビアなのだけれど)錯覚に陥った。ま、以前にも書いたのだけれど、食文化が基本的に無い(なかった)といえるデンマークでも、おいしいものはあるし、このような番組に感化され、今後食文化が向上してくれるに違いない。そうなってくれることを祈る。

そこまで考えて、ふと気づいた。このナビゲーターの男、クラウス・マイヤーClaus Meyerだ。このクラウス・マイヤー、私の夕飯の敵とでもいうような存在で(詳細は、コペンハーゲンっ子に人気のメイヤーズ・デリMeyers Deli参照)、当初の浮かれた心持に冷水を浴びせられたかのような感覚で、我に戻った。あのデリは相当ひどかったから。でも、今この番組に登場しているクラウス・マイヤーは、まさにデンマークの食文化の伝道師。このテレビ番組を見たら、私を含め誰でもスカンジナビア料理、食の先進国を信じるに違いない。デンマーク・グルメでまとめたように、現地の食材は必ずしも悪くない。舌が肥えたデンマーク人が増えることで、今後、おいしいスカンジナビア料理が出てくるに違いないのである。この番組のおかげで、クラウス・マイヤーの評価を変えざるを得なさそうだ。とりあえず、Meyer Deliの他の料理を試して見る必要がありそう。