北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークの野菜が高い訳

デンマークのパン屋は、パン職人教育を受けなければなることができない...って、初めて聞いたときには本当に驚いた。職人の国、なんて良く言われるけれど、ドイツなどを筆頭に職人の国では、パン屋だけではなく、日本では、「ライセンス」が関係ない職種でも、一定の教育を受けなくては、その職に就けないのです。

最近、知って、再度驚かされたのは、農家になるにも座学2年、実践2年の教育を受ける必要があるということ。日本でも農学を勉強する人はいるけれど、農家になりたくて農学を勉強する人ばかりではないですよね。でも、デンマークでは、農家を運営するためには、みんな学校の修了書を取得しなくてはならないんです。

4年の教育を受けなくてはならないのだから、デンマークの農家の人々の平均知的レベルは非常に高いようす。最新の農業知識を学校で学び、実践を行うので、農薬の使い方や土の作り方なども、最新の知識に基づいて、実践されます。だから、デンマークでは、オーガニックフードにも注目が集まるのね。。。単に食物を作るのではなく、科学的生物的知識に基づいて、作物を作っているわけだから。色々と知識を蓄えた人が、現在の農業を考えた時、採算をとれるようにと考えなくては行けないとしても、より体にいいものを、という方向に考えが向くのはなんら不思議では無いですよね。

さらに、デンマークでは、情報化が進んでいて、農作物の管理や、運営にもよく取り入れられている。日本での農家におけるコンピュータ、データ処理の利用率ってどんなもんなんだろう。

そんなわけだから、農家においても、人件費は馬鹿にならない。みなが特別な教育を受けて農業に携わっており、農家だから、稼げない(稼がない)ということは、ないし、逆に競争もシビアなようです。小さい農家は淘汰されていき、大規模農家が残っていく。それだけのものを管理できる人が、農家として生計を立てていけるんだって。農作物価格が高騰しても納得いきますよね。

いや、それにしても、最近の価格高騰は、恐ろしい。ただでさえ、物価高いのに。。。