北欧生活研究所

北欧在住13年。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークの首相交代

4月4日、デンマークのアナス・フォー・ラスムセン首相は、北大西洋条約機構(NATO)事務総長に全会一致で選出され、デンマーク首相を退任しました。2001年から続いた3期目のラスムセン政権が終幕したわけです。これを受けて同じ政党「自由党」の副党首であった、翌日の5日に財務大臣ラース・リュッケ・ラスムセン(Lars Løkke Rasmussen)が後任として、デンマーク首相に就任しました。

新首相ラース・リュッケ・ラスムセンは、色々と話題に事欠かない人物。前首相が、スポーツを好み、政治家モラルの塊のような方と言われる一方、新首相は、ビール腹で、スポーツよりは、飲むのが好きと称されます。今回のアナス・フォー・ラスムセンがNETOの事務総長として選出されるかどうか、仮に選出された場合、次期首相として認められる人物といえるか、という議論において、10年前のスキャンダルや、公費でスナップスを20杯飲んだ件を持ち出してこられ、あまり前向きな評価を聞きませんでした。私が、ラース・リュッケを知ったのも、隣のオフィスのマーチンが、彼の写真をオフィスの扉に張っていたから。その写真、まじめそうな顔をしたラース・リュッケの何の変哲も無い写真ですが、手元を見ると、中指を突き出しているのです。次に、聞いた話は、実はハンバーガが大好きという話。保健相をしていた時代なので、特に風当たりが強く、健康を推進しなくてはならない立場なのに、ソーセージ(デンマークでは、街角でソーセージ屋台を良く見かけます。デンマークB級グルメです。)やハンバーガーが大好きだとはと非難されていました。

よく言えば公明正大で悪を許さず、悪く言えばnaïveなデンマーク人は、前首相が大好きですが、新首相は、どちらかというと人気がないようなのです(デンマークの新しい顔)。

しかし、調べれば調べるほど、新首相は、経済危機を迎えているデンマークに今後必要な、やり手政治家のような印象を受けます。ラース・リュッケは、中央政界に入る前に、コペンハーゲン北部のギルライエ市の市長を務めていすが、その際に、老人福祉サービスを民間企業に委託するなどの、公共事業の民営化やアウトソーシングを積極的に進めてきました。その後、2007年の保健相在任時に、271ある自治体数を98へ統合、2009年には、税制改革を主導するなど、政治家としての役割を果たしてきているように思えます。どちらかというと、積極的な自由主義政策を進めている方なので、社会民主主義が多いデンマークにおいて、受け入れられるかはわからず、これが難しいところでしょう。
一方の、アナス・フォー・ラスムセンは、表向きメディアでは、NETO事務総長へポジションにまったく関心の無いといったコメントを述べていましたが、実際のところ、選出に意欲的だったのは明らか。首相の任期中であるにも関わらず、目をよそに向け、選出されたとなるや否や任期途中で退任することを厭わない元首相。評価が高いのは、納得しかねるのです。実は、純粋な顔をした策士なのでしょうか?!


話はそれますが、興味深いのは、今回のラスムセンは、3代目ラスムセンであるということ。前回のアナス・フォー・ラスムセンの前の首相もラスムセンだったとのこと。しかしながら、一代目は、政党が違います(社会民主党政権でした)。