北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

環境にやさしい国を作る政府の巧みな作戦

デンマークにおいて、様々な経済・金融・社会問題の解決策として、課税や控除といった税金関連処置がとられることが多くみられます。これは、行政・学術・産業界の共通認識として根付いているようで、現在のデンマーク政府が推進するグリーン対策なども、この認識に基づいて、政府の舵取りが行われているようです。また、助成という方法は最も効果の少ない方策と位置づけられています。一方で、研究開発においては、助成が最も適切な方法であると認識されており、政府の求める分野における研究開発プロジェクトには、多くの資金が投入されています。しかしながら、これらの研究助成は、一定期間に限られるため、たとえば、太陽パネルの助成は、1996年から始まり、2006年打ち切られています。
最近、4月14日、デンマーク政府が進める個人住宅改装助成金の申請が開始されました。この個人住宅改装助成金は、2009年3月に発表された「春パッケージ」税改革の一環として定められたもので、個人家屋の環境に配慮した改築を対象とし、合計15億クローネが配分されるというものです。今年12月にコペンハーゲンで開催されるCOP15(国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議)で、ぜひとも環境立国デンマークを宣伝したい政府の意図と、金融危機で弱まりつつある経済活動に活をいえるという2つの理由がありそうです。
今回の助成金では、個人住宅を所有している人は、住宅の改装費用として上限2万5千クローネまで申請できます。申請は、電子化の進んでいるデンマークらしく、オンラインのサイト(http://boligforbedringer.dk/)から。内訳としては、建設業者に支払われる総費用の40%が上限1万5千クローネまで、さらに建築素材費として上限一万クローネが助成されることになります。助成を受けて、家を改築できるのであれば、さらに、自分のエコ度数も上げることができるのであれば、環境に少し関心のある人たちには、とてもよい手段と思われている様子。デンマークでは、風力発電が世界的に注目されていますが、太陽光パネルなども近年注目されつつあるようで、比較的お手軽にできる改装として取り組む人もふえているとか。
今回の政府の作戦は、課税や控除ではなく、助成を与えるというものでしたが、経済活動を活発化させ、より国全体をエコへ先導していくという意味では、とてもスマートな政策のように思えます。

詳細は、こちら。もっと素敵な住まいへ!http://boligforbedringer.dk/