北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマーク式メソッド

フィンランドメソッドならぬ、デンマーク式教育について考える機会が増えてきている。フィンランドメソッドは、敬愛する北川達夫氏がフィンランドの指導理念と方法を応用し実践している教育で、私が彼の記事をよく読むからかもしれないのだけれど、フィンランドメソッドの話を良く聞くようになってきた気がする。その一方で、デンマーク式教育に熱い視線をおくる人もいるようで、友達との話に出てきたり、質問されることが増えてきた今日この頃。その、デンマークメソッド推進者の一人、大前研一氏。
大前氏曰く、

21世紀は、生徒の個性を伸ばし、自分で解答を見つける訓練をするデンマーク式の教育が力を発揮する時代

と、非常にデンマークの教育方法に非常に高評価である様子。デンマーク人が数学に秀でているかとか歴史事項を良く知っているかという旧来の、また、日本の賢さの点では、秀でているとは言い難いというか年号などはほとんど知らないのだけれど、確かにデンマーク人は、自己主張や議論(argue)に強い。自己主張ができて、議論ができるというのは、大前氏が言うように、価値の異なる多文化環境で対話する必要のある国際化の時代には、大きな利点となることは間違いないと個人的にも考えている。

しかしながら、外と内の温度差というのはどこにでも存在するのだと思わさせる記事が、今日のフリーペーパーMetroに出ていた。公立校の質の低下を嘆く記事で、どうにかしないと、生徒は私立学校に流れていってしまうよ、という内容(まぁ、フリーペーパーなので、あおっている感が無くも無いが)。その記事によると、

2008-9年に、14%の生徒が私立校を選んだ。

のだそうだ。私立校は、公立校に比べて授業料がわずかに高く、その他に違う点としては、教育方法など(キリスト教に基づいた教育、音楽に力を入れた教育など)に過ぎない。つまり、公立校が好んで選ばれなくなるというのは、教育方法に何らかの欠陥があると見られているともいえる。実際に、アンケートによると、18-70歳のアンケートに答えた国民の56%が、良くするためには教育法やメソッドが変えられるべき、としている。

33%が、税金をより投入すべき。
56%が、他の教育法、メソッドが採用されるべき。
4%が、改良すべき点は特になし。
7%が、わからない。

以前にデンマークの初等教育でも述べたけれど、人気のある私立校は、子供が生まれてすぐに登録しなくては、7歳になったときに入学できなくなっている。人気のある私立校の2つほどは「ドイツ系」ということで、デンマークメソッドどこへやら、である。

隣の芝が青く見えるのか、デンマークメソッドは本当に良いのか。少なくとも、日本の土壌には合わなそうなのである、大前さん。考えるに、日本社会で生き抜き、かつ世界に通用する人になるには、デンマークメソッドと共に、日本の文化の習得が欠かせない。なにせ、デンマーク人の自己主張は、デンマークだから可能な点が多々あるし、それを日本でやってしまったら相手を傷つけ怒らせ悲しませることになってしまうことは容易に想像がつく。社会と教育は密接に関っているんですよね。