読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

北欧生活研究所

北欧在住11年。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

スカンジナビアの高等教育

もともと、仲の良いスカンジナビア三国(デンマークスウェーデンノルウェー)だけれど、世界的な政治、経済、学術の競争に巻き込まれると、協調の姿勢を前面に打ち出す傾向にあるようだ。普段は、皮肉を言い合っていても、外からつつかれると、とたんにスカンジナビア気質を発揮する。優秀な学生を集める、先端研究を進めていくといった、人材(学生・研究者)取得競争が白熱化する学術分野の協力もその一つ。アメリカやオーストラリアなどに学生が行きたがると嘆いていた新聞記事もしばらく多かったけれど、最近は、「海外に行きたがらない」「国内の教育に注目があつまる」といったような記事や、スカンジナビア三カ国のアカデミアで協調をしていくのは今!という趣旨の意見が掲載されるなど、少々風向きが変わってきた様子。

そもそも、スカンジナビア三国間では、単位交換が可能なので、私の職場の大学にも、ノルウェー人やスウェーデン人が週に一回来るなど、よく聞く話だったけれど、ますますこの傾向は進んでいきそうな勢い(Nordic E Promotion)。更に、EU内でも協調していこうという動きが見られているようで興味深い。EUが進めているのは、米国発の統計に基づいた大学のランキングではなくて、(もちろん統計も使っているのだけれど)大学の定性的な評価や(ヨーロッパ的な)観察分析なども行い大学評価を行なっている。そのデータを下に、EU内の大学を比較検討できるWEBの提案などもされていて、そのWEBはITデザイン的にも興味深い(U-MAP)。このサイトの実用化はまだのようだけれど、国家間の移動が楽なEU市民にとっては、自分の目的に最適な大学を自国内だけではなく、EU内で探すことに今後なっていくのかもしれなく、重要なツールになっていきそうだ。

デンマーク式教育は、以前の記事デンマーク式メソッドでも述べたように国内では批判の対象になることも多々あるのだけれど、自立した向上心や研究心を育成する、国際社会で主張できる人を育てるには、良い方法であると私は思う。デンマーク式に限らず、特徴的なヨーロッパの大学群がタッグを組んで、知的好奇心あふれる人を魅了するような磁石になっていけば、アメリカに勝るとも劣らない、勢力になるんじゃないだろうか。日本の大学の授業質や教授群の質なども決して悪くないと思うのだけれど、世界的に見て、巨大なアメリカとEUに対抗していく勢力に、日本のアカデミアがなっていけるのか気になるところ。