北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

都会に住んでいるはずなのにアリ退治


昔,多分小学生ぐらいの頃,世界の名作とか,世界の童話とか,世界の昔話といったようなシリーズが大好きだった.そんな話は,その土地の影響を大いに受けているから,日本の生活からは全く想像できないし,当時の日本しか知らない私にとっては,完全に違う世界の話である.ファンタジーと同じような感覚で読んでいたと思う.
大人になって欧州を旅行するようになってもなかった感覚なんだけれど,北欧に引っ越してきて何度も,デジャビュというか,「これ知っている」と思う景色や状況が出てきた.しばらくたって気がついたのは,それは,昔本で読んだ世界が目の前に広がっているから,そんな感覚を持ったんだ,ということだ.
たとえば,小公女が赤レンガでできた建物で生活を初めたり,屋根裏部屋に住み始めたり,ミンチン先生にいじめられて地下の食料品庫で泣いていたりしたのだが,その舞台となった景色や情景,取り巻く自然環境が,いまだに,北欧(正しくはイギリスなんだけれど)に存在する.夜眠れないからアイマスクをして寝るとか,感覚的に理解できなかったのだけれど,夜11時まで,明るい北欧では,夜明るいことは結構深刻な問題で,遮光カーテンがある部屋に住んでいない限り,アイマスクは必須になる.そんなことに気がついた時に,あぁ私は昔読んだ世界に今生きている,と,妙に感動したことを覚えている.
同時に,昔は笑ってすましていたお話の中の苦労話も,実際に直面すると,深刻な問題である.昔日本にもあっただろう,そして今でも自然豊かな土地ではあるだろう,鳥の声で目が覚め,風のそよぎが聞こえる生活を,今,自分がしているということに,愕然とさせられるのである.夏の朝の鳥の声はうるさく寝てられないし,春になると家の中をアリや小さな虫が歩き始める.コペンハーゲンに生活していても,自然豊かな一軒家にすむようになって早3年.この時期には,アリが...出没するのだ.
新しく引っ越した家も,最近の暖かい日には,アリがその辺を歩き回っている.チョコレートなんかおちおち枕元の棚に置いておけない.どうしたものかと悩んでいたら,知り合いがアリ退治のパッケージがあると教えてくれた.どうやら,近くのスーパーで売っているらしい.そこまで身近なものなのね.