北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

ウプサラでは、2度よりマイナス20度が好まれる

f:id:jensens:20160130222537j:image人の価値観や感覚は、時に想像の域を超えることがある。男女でも異なるし、分野が違う人も異なるし、更に日本とスウェーデン文化のような民族的な違いも大きい。

ウプサラは、ストックホルムより北に40分ほど特急電車で行ったところにあるが、今回ウプサラ訪問で一番記憶に残ったのが、ウプサラの人たちが、口を揃えて「こんな天気のときでほんと申し訳ない、残念無念」と言っていたことだ。

どうやら私たちが行く数日前は、-20度前後まで気温が下がり、雪も積もっていたらしい。私たちがストックホルムに到着する1日ほど前に気温が大幅に上がり、ウプサラ訪問時は、5度程と暖かく、霧雨が降っていた。"雨は確かに残念だけれど、マイナスは困るし、ましてや-20度は、ちょっと困る。あぁ、先週でなくてよかった"。と思ってた私としては、いく先々で「先週は本当に、ここらしい天気だったのに」とか「本当にこんな天気で申し訳ない」と言われるたびに、それはスウェーデン式ジョークでしょうか…、と聞きたい誘惑に駆られたわけだ。

何人にも言われたことで、ウプサラの人は本当に「残念」で「申し訳ない」と、"私たちのために"悲しく思っていることがわかり、ここでまた驚嘆させられた。

確かにグレーの天気と景色と、あちこち水浸しの街で、いい時期とは言えないかもしれない。確かに、クリスタルクリアな粉雪や、まるで空気が張り詰めるようなマイナスの大気を感じられるのは、嫌いじゃないし、残念だったとも言えなくもない。
ただ、感覚の違いの深淵を垣間見て、目眩を感じざるをえなかったことも確かだ。