北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

人は変わらないのか?

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文化は気がつかないうちに、肌の隙間から入りこんでいく。だからこそ、海外の生活で自分は変わらないつもりでも、いざ母国に帰国してみると、違和感があったり、考えに変化が生じていることがある。そんなことに気がつかされて、日本滞在の折は、自分の知らないうちの変化に戸惑いを感じたりする。

さて、コペンハーゲンの日本人の間で話題になっている「ラーメンとビール」に行った時、日本人シニア婦人達の団体に会った。食券機や自販機があり、日本語もあちこちにある店内で、ちょっと違和感ありつつも「まるで日本」を味わいつつ、腰掛けて注文を待っていたら、ざわざわと団体がやってきて、瞬時にそこは、まさしく、現代の日本になった。

興味深いのは、その人たちの態度が、まさしく日本で見られるシニアグループのそれだったこと。さらに、その人たちがどうやら住在歴の長い日本人で、デンマーク語を話していたところからもそれなりに、デンマーク生活に慣れ親しんでいる人たちのように見受けられたことだ。デンマーク人シニア婦人たちの団体も時折見かけることはあるけれど、そんな雰囲気を醸し出してはいない。おそらく彼女らも、一人で店を訪ねる時は、全く違う行動をするのだろう。

私は、海外に住んでいると、気づかないうちにその社会に適合するための変化は避けられないと考えるようになっていた。でも、今の時代、変わらなくて済むような生活も送ることができるし(がっつり日本人コミュニティーで生活するとか)、同窓会などで高校の友人に会うと高校時代に戻るように、日本人同士で会うと、すっかり日本人に戻ることは造作無いことなのかもしれない。