北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

障がい者が消える

f:id:jensens:20170719210457j:image障がい者と健常者の境ってどこにあるんだろう?そんな風に考えるようになったのは、デンマークでの障がい者雇用について調べたことがきっかけだったと思う。

今まで障がい者にカテゴリー分けされていなかった人が、例えばADHDと診断されるようになって、いわゆる「支援されるべき人」にカテゴライズされることになったりするのと同様に、今まで発達障害とされてきていたアスペルガの人たちが、訓練と環境を整えることで「普通に」雇用されるようになっている。雇用者が個室を与えたり直接目を合わせて会話しないでも済むような指示の与え方をするなど「支援する」ことが必要だったりするかもしれないけれども、アスペルガの人たちは、時には、その特殊能力ゆえに、高給取りだったりする。

 今はわかっていないけれども、10年後には「障がい」として認知される事項が今は認知されていないがために、健常者としての扱いを受け、苦労している人たちもいるのかもしれない。

結局、普通(ってそもその?だし)とか障がいとか、2項対立に考え線引きして、こっちのグループの人はこれ、あっちのグループの人はこれ、なんかのように判断することは本当はできない。そして、10年後には、障がいという言葉はなくなって、「多様性」に全て置き換わっていくのかも。支援金の額とか、その評価とか難しいな…。

そんなことをデンマークにいると感じるわけだ。