北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

防犯システムNabohjælpを使ってみた

デンマークは安全な国と言われるが、日本との数字での比較で見ると必ずしもそうは言えないことも多々ある。欧州の中では、犯罪率や殺人件数などは少ないようだが、それでも日本と比べると犯罪の中の殺人の割合が高かったりするし、中でも空き巣被害は都市圏ではかなりの数に登ることが統計上わかっている。

 そういう私も、スウェーデン・マルメ市に住んでいた時に空き巣被害にあって3台のPCと宝石類が取られたし、日本人の知り合いで空き巣被害にあった人も何人も知っている。感覚的には、8人に一人ぐらいは被害に遭っていて、それほどデンマークに日本人が住んでないことを考えると、かなりの量になりそうだ。空き巣が入っても、実際に警察が時間と労力をかけて犯人探しをすることもなく、警察は保険が下りるケースであるかどうか事後確認して終わり。案件は保険会社に移され、保険で被害額がカバーされて終了だ。PCに保存されていた思い出の写真を失っても、泣き寝入りするしかない。

2012年にTryg(トリュック)というセキュリティ会社が始めた「Nabohjælpネイバーウォッチ」という仕組みは、そんな一向に改善されない空き巣被害をどうにか避けるための、半人力のネットワークシステムだ。

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携帯番号と住所で登録すれば、無料でご近所ネットワークを確立しておくことができる。同じサービスを使っている人たちのマッチングがオンラインやアプリでできるようになっており、デンマーク1のセキュリティ会社の知名度が大きく影響していると思われる。

アプリでできることは、ネットワークを確立しておくというコミュニティ機能、不在にする期間をカレンダーに登録する機能がある。ネットワークが確立されていることで、互いに怪しい人たちに目を光らせることができるし、旅行などで家を空ける間は近所の人に一日一回家の周りを巡回し「問題ありません」とメール等で報告してもらったり、連絡を取り合い、ゴミ箱にゴミを入れたり、ポストにたまる郵便物を回収してもらったりと留守だという印象を与えないように協力してもらうこともできる。

ITを使った支援機能はあるものの、多くの部分が自動化されているわけではなく、とても人力色が強い。それがデンマークらしい。

最近立て続けに隣家に泥棒が入りましたというアラームメールが来て、ちょっとドキドキだ。