北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークでの子育てが楽な理由

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最近日本の方の訪問をよく受けて、デンマークは過ごしやすいですか?とほぼ毎回聞かれる。もちろん不満はたくさんあるし、足りてない部分もあると思うけれども、過ごしやすい点はたくさんあるので、その時々で毒吐きを調整して、よい部分にも言及する。

過ごしやすい点の一つとして、なによりも言っておきたいのは、「子育てが楽」であるという点だ。特に、国や自治体関連の子育て環境が最高で、これは、どう低く見積もってもデジタル化の恩恵を多分に受けている。個人番号ウェルカム、情報提供ウェルカム!となるのは、やっぱり便利であり、余計な時間を不必要なことにかけずに済むからにほかならない。

 私は日本で出産し、数か月里帰りしていたので、日本の子育て支援金や予防接種の手続きやら調整やらは、わずかではあるが体験しており、これらの件に関しては、確実にデンマークの便利さにもろ手を挙げて素晴らしい!といえるわけ。

赤ちゃんの予防接種に関しては、すべてのスケジューリングを病院(医療は全て公立、そして無料)がしてくれるのと、5種混合など最先端の医学を取り入れて簡単に済ませてくれている(最先端だと信じてます)のでとっても便利。予防接種の記録などは、国が全部電子カルテに記録・管理してくれているので、母子手帳忘れた!記録してないっ(汗)と、いったようなポカミスをすることもない。基本的に、必要な時に必要な予防接種のお知らせが来るので、指定された日時に家庭医に行けばよい。今までの接種記録を調べたければ、ヘルスケアポータルにオンラインでログインして、子供の医療・治療経過や接種記録を見ることができるから、もしアジアやアフリカへの海外旅行などで接種の確認が必要だったら記録を見ればよいだけである。

もちろんデンマーク特有の落とし穴はある。指定された接種日の日時を変えるのはとっても面倒。解決策は単純で、言われたときに言われた場所に、仕事を休んでいけばよいだけのはなし。子供の予防接種で仕事が休めるか!と怒る方はいません。職場も、子供の病院や予防接種というと、有給で半日休などできるので、特に問題はなし。

児童手当も、自動で政府との連絡口座に、年に4回にわけて入金される。勝手に入金されるので、特に毎年申請をし直す必要もない。児童手当は、家族構成(シングルマザーだと増額)、収入(高所得者は減額)により、勝手に算出されるので、給与が上がれば減額されることもあるけれども、これは高福祉高負担国家として避けられないので静かに受け入れる。

勝手にやってくれるということは、日本の親御さんがかけている時間を考えると、子育てにまつわる負担が格段に減っていると言えるわけだけれども、家族構成や収入が国(社会保障局)に筒抜けの透明社会だからという側面もあることは忘れてはいけない。ただ、悪いことをしなければ、見合ったサポートをくれるのが福祉国家デンマーク

日本の赤ちゃんのあの複雑な予防接種の調整とかこなしているスーパーママは、その調整能力を別の場所に使わせたほうが、国の発展に貢献するんじゃないかと思うのである。