北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

2016-01-01から1年間の記事一覧

子育てに悩んだら

デンマークの子育てについて、パネルディスカッションの登壇者として、大勢の前で話したことがあった。その時に、出会った小笠原舞(おがさわら まい)さんが友人と一緒に「いい親よりも大切なこと ~子どものために“しなくていいこと"こんなにあった! ~」を出…

コペンハーゲンで盗難にあう

北欧に住んではや12年。周囲の被害を折に触れ聞きながらも自分自身は一度も窃盗・すりにあったことがことがなかった。正確には、スリとお話ししたことはあるのだけれども(その話はまた別の機会に)、実際にカードや身の回りのものを無くしたことはなく、話を…

修復師という仕事

デンマークには修復師という仕事がある。デンマークに昔から残る絵画やお屋敷の壁や美術品、美術館に保存されている副葬品などの修復を一手に引き受ける。修復師になるには、高校卒業後修復師の学校(王立デザインスクールの一部門)で5年の教育課程を経る必…

音楽とコ・デザイン

時間があった時やドライブをしながらよく聞いている『荻上チキ・Session-22』で、音楽の市場が変化しているという話があった。 www.tbsradio.jp

コペンハーゲンの街並みはなぜ美しいか

コペンハーゲンの街を訪れた人は、口を揃えて街のハーモニックな景観やデザイン性に富んだ町並みを高く評価する。確かに、デンマークの街並みは、デザインの配慮が行き届いているし、一貫制があり、美しい。 コペンハーゲン市の役人が言っていたことで、開眼…

子供は実験素材ではない

デンマークは課題先進国とよく言われる。様々な社会的実験が行われているし、新しい試みも次々とみられる。アジャイルは、デンマークのお家芸とでも言えるだろう。 子供に関する先進的取り組みも多々みられる。デンマークにおいて養子はもはやタブーではなく…

シークレットミッション

ここ一年ぐらい、日本からのメールがパワーアップしている。そう、添付ファイルの件だ。まるで、シークレットミッションか何かであるかの様に、添付ファイル付きのメールにはパスワードがかけられ、別送メールでパスワードが送付される。単なる雑誌用の原稿…

洗濯物たたみは運動であるのか

現在REACHプロジェクトの調査の一環で、センサーやモチベーションテクノロジーについて、過去論文を読み漁ってる。ほぼ知らない分野だったので新しい発見がたくさんあって面白いのだけれども、2012年頃のもう古い論文を読んでいて、ハッと気づかされたことが…

駐車できない女

また、あのいつもの駐車場でスタックした。なぜかわからないのだけれど、幅寄せしすぎて駐車スペースから出られなくなってしまったのだ。向かい側に駐車した車の親切な紳士が、切り返しし続け、どんどん深みにはまっていく私を見かねて?!親切にも手伝いま…

ワークショップのオーガナイズを考える

ワークショップオーガナイザという職種の人に会ったことがあるだろうか?最近関わっているプロジェクトREACHで、参加型Co-Designのワークショップを実施しているのだが、ワークショップでは、そのワークショップオーガナイザが活躍している。 REACHプロジェ…

ガーダーホイフォート:戦争ごっこ

少し前の週末に近くの要塞でイベントがあるということで、子供を連れて出かけた。Garderhøjfortと呼ばれるこの要塞は、コペンハーゲン最大の要塞で、Jægersborg駅からほど近い場所にある 。地下要塞が作られていて、作られたけれども使われなかったダブルキ…

赤いコテージ:Den Røde Cottage - Cottagerne

『赤のコテージ』という名前のレストランの噂は、数年前より聞いたことがあった。『赤のコテージ:Den Røde Cottage - Cottagerneは、日本のメディアや雑誌にも何度か登場しているし、姉妹店の黄色のコテージには行ったことがあったから、近いうちに行ってみ…

デンマークのIoTのポテンシャルが高いと思うのは

最近複数の人からデンマークのIoTやビックデータ、AIなどのIT事情について質問を受ける。電子政府進展などの影響もあって、北欧は進んでいるんじゃないかと思われるようなんだけれども、インダストリ4.0や日本のIoTの状況、また色々な情報を聞いていると、現…

良い公共スペースを構築するための『型』

最近、日本のニュースで築地市場の移転に伴う混乱や不満について耳にした。築地の移転の話は、以前よりメディアで聞いていたし、移動先となる豊洲の土壌汚染の話なども聞いていたのだが、特にアンテナを立てていたわけではないので、その進展具合や課題がい…

デンマークのヘルスケア・ビックデータの現状

デンマークは、個人番号(CPR)が68年から導入され、医療情報データベースも77年に構築され、様々な個人医療保健データが、個人番号に紐付けされて蓄積されている。だから、ビックデータ、IoTの時代におけるデンマークの優位性は確固たるモノだ。そんな話を聞…

uberが成立しない国

7月初旬、uber運転手が40項目近く法に抵触しているとの判決がコペンハーゲン裁判所で下された。もちろんタクシーの運転手が2014年の導入以来声高に廃止を唱えていたんだけれども、一つ決着がつきかけているようだ。 デンマークはタクシーの運転手はライセン…

働き方、生き方

皆、違うと知ってる。どうにかしなくちゃ、変えなくっちゃって思っている。それなのに、変わらないのが、日本の「働き方」だ。日本の労働環境は「一億総ブラック」と、昨日会った方が言い、言い得て妙だと変なところに感心してしまう。 今日も一日中、働き方…

デンマークでの口頭試問の受け方

デンマークを始めとした北欧の大学では、学部レベルから試験で口頭試問がある。授業の最終評価方法は多種多様で、レポート提出や選択肢式テスト、筆記テストばかりでなく、口頭試問や、持ち帰り試験(与えられた課題を指定の時間ないに解き提出する。24時間と…

デンマークの教育は「自分探し」の旅

過去数カ月にわたり、デンマークの教育とイノベーションの関係を模索していた。デンマーク人は創造的だと言われることが多いし、没頭してとてつもない飛躍を遂げたり、少し外れたアイディアを一生懸命追求し身を結ぶことも多いように見受けられる。面白いこ…

デンマークの病院のサービスの質について

デンマークの病院に当事者として関わることが多々あり、それなりにデンマークの医療について一家言出てきた今日この頃。特に、病院におけるサービスについて、色々と考えるので、それについて備忘録として記録しておく。 手術前のブリーフィングjournaloptag…

ノルウェー人の常識

再びノルウェーNRK製作のKampen om tungtvannetの話。この作品、ノルウェーNRK製作だけれども、ノルウェー語英語ドイツ語が入り混じり、一見ノルウェー製作だとわからない。だから初めは、特にノルウェーが作ったことに注意を払ってなかった。 ノルスク・ハ…

コラボレーションの歴史

いろんな知見を持った人が集まり一緒になって課題解決に取り組むということ(利害関係者間の協調作業/コラボレーション)が、非常に得意な北欧の人たち。利害が必ずしも完全に一致しない場合でも、議論をしつつ解決策を見つけていく。毎日の生活の中でそんな姿…

タンポポと日本人

タンポポが咲き始めると春が近づいてきたと日本では思うかもしれない。梅の花や桜なんかもそうだろうか。以前とある記事で「桜の花に郷愁を感じられない自分」「自分は鮮やかな花の方が好きだ」という海外育ちの日本人の話を読んだことがある。ある特定のも…

発生から約250日後にようやく手術

デンマークも先端国家の一つで、医療技術や措置に至っては安心できる、んだろうとおもう。この見上げている天井が半分壊れているとか、建物が吹きっさらしの草原に建てられ、外の風が感じられるテントだとか、そんな状況での手術でないことにただひたすら、…

New Nordic Foodと蘭子と蝶と闘争

デンマークのフード周りは、最近賑やかになっている。星を取るレストランも増え、海外から注目もされるレストランなんかも増えてきた。日本の「ユズ」や、「旨味」と言った言葉が聞かれるようになったのも最近だ(デンマークの食事情)。そんな新しいデンマー…

デンマークの学校では親が教師になる日がある

"Parents Teacher Day!!"なるもののメッセージが父兄SNSに小学校1年生の娘の担任から送られてきたのは、1ヶ月ほど前だっただろうか。 木曜日から来週の月曜日まで、教師研修旅行でイタリアのフィレンツェに行くそうで、木曜日は、「保護者が先生になれる日…

lost in translation

海外で生活していると、時折、社会文化背景の違いや認識の違い、価値観の相違によって、深〜い勘違いをすることがある。このlost in translationは、11年目を迎えた現在でも、その存在を忘れた頃にやってきて私を脅かしてくれる。時には、取り返しのつかない…

未来の図書館の姿 その2:Ørestad biblioteket

考えるところあって、大学の近くにアマー地区(Amager)に位置するØrestad(ウアステット)図書館に行ってきた。最近図書館によく行くのだけれど(DOKK1未来の図書館の姿?!とか)、これもその流れの一つ。 Ørestad図書館は、面白いロケーションにある公立図書館…

デンマークのリビングラボ

昨年末に執筆した記事が、デンマーク日本人会の会誌に掲載された。題して、「福祉テクノロジーを醸成、リビングラボの挑戦」。デンマークにおける福祉テクノロジー事情と新しい実証実験のカタチ「リビングラボ」について執筆したものです。見開き2ページの…

UXマインドを組織に埋め込むには-レゴ編

LEGOのUXシニアアーキテクトから、レゴ内部にいかにUXマインドを埋め込み、IT開発に活用できるような文化を創り出していくか、ということに関して話を聞いた。 デザイン手法を導入するのは、特に大企業が対象の場合は、長期計画で進めていく必要があるだろう…