デンマーク王国発祥
デンマークの西に位置するドイツとつながる半島、ユトランド半島には、デンマークの歴史を知るには、欠かせないエリア。長いデンマークの歴史の始まりとされる記録を見ることができるのが、このユトランド半島の中西部に位置するJelling(イエリング)とよばれる小さな街なのです。
このイエリング、デンマーク王室の始祖と呼ばれるゴーム老王が、居城を構えた場所として伝えられています。残念ながら、城がどこにあったのか、今でも謎につつまれていますが、今でも教会や土盛の古墳、UNESCOの世界遺産にも認定されている二つの石碑を見る事ができます。1100年に立てられたと言われるイエリング教会の内部には、デンマークで最古のフレスコ画があり、これも気になるのですが、なんと言っても教会の外にある、大小2つの石碑は必見です。
小さな石碑は、ゴーム老王が奥様のチューラのために刻んだもので、大きな石碑は、ゴーム老王の息子であるハーラル青歯王が建立したもの。両方ともに、UNESCOの世界遺産に認定されています。大きな石碑は、同時代の資料の中で初めてデンマーク全土の支配に言及しており、最古の王朝と言われるデンマーク王朝の資料としても重要です。さらに、当時の王であったハーラル青歯王が、古代神信仰からキリスト教信仰へと移行を宣言しており、デンマーク文化的にも重要な転換期を示しています。
石碑には、次のように書かれています「王ハーラルは、父ゴームと母テューラのために、この記念碑の建立を命じた。ハーラルは、デンマーク全土そしてノルウェーを服従させ、デンマーク人をキリスト教徒とした。」この頃から、バイキングの、デンマーク人の活躍が始まります。
じつは、この石碑、デンマーク人にとって、単なる世界史的重要性以上に、もっと身近な存在です。というのは、デンマークパスポートの始めのページには、この石碑が印刷されているためです。海外に旅行する際に携帯するパスポートを開くたびに、最古の王国であるデンマーク王国の証しを目にするのですから。さて、日本のパスポートには、何か書かれていたかな...。
古い街には必ずあるKroも、勿論ありました。残念ながら私達は寄る事が出来なかったのですが、次回は是非...行ってみよう!Jensens Map