北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマーク女性の不満

「暮らしやすい国、男女平等、子育て支援が整っている」なんて言葉が、「デンマーク」と一緒についてくる昨今ですが、デンマーク女性も、男女平等、ワークライフバランスなどには、ほとほと悩んでいる様子。比較では、「整っている」といえたとしても、その土地・国に住んでる人にとっては悩みは尽きないわけで。比較でよくても、当事者が満足していなければ、問題はなくなりません。夢のような国は無いのですね。

コペンハーゲン大学心理学部助教授Sørenの奥様、Hannaは学校の先生ですが、旦那様の一年のアメリカ滞在にはついていけないといいます。自分のキャリアのため、子供がアメリカで苦労するのは耐えられないからだそうです。しかしながら、彼が一人で行くのも納得がいかない。子供を一人で見るのは不可能だから。
パイロットのMortenの奥様、Mieは、会うたびに嘆きます。夫がフライトでよく家を離れるから、まるでシングルマザーの気分。もう少し、子育てに協力してもらえる人ならよかったのに。

男女平等といいますが、統計上では、女性の給与は男性よりも平均で低いのは明らか。女性は出産という仕事もありますし、子供と一緒にいる時間がほしいからハーフタイムで働くなどの選択肢もあるのですが、統計的に差が出てきてしまうと、「平等」ではない、という議論に進みがちです。気勢を張って「平等」を主張しなくてはならないデンマーク女性は、逆に大変な点もあるようなのです。
デンマークでは、80%近い女性が働いており、出産後1年以内にほぼ職場復帰をします。日本のように3歳までは自分で育てるなどという考え方もなし。職場復帰まで1年休めますが、そのあとは、日本の女性のように専業主婦をするという選択肢はないのです。