北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマーク工科大学のスカイラボ:新産業を興すための仕組み

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最近、デンマーク工科大学(DTU)のSkylabと呼ばれるインキュベーションセンタのセンター長、Mikkelや起業家プログラムの授業を過去20年ほど教えているJohn教授などと、お話しする機会があった。 このSkylab、DTUの学生であれば、誰でも使える場として作られていて、ファブラボ、ミーティングルーム、レクチャールームなどで構成されている。それに加え、起業のアドバイスなども受けることができるということだ。

DTUは、AppleFacebookなどが排出された米国のケースと違って、卒業してから起業することを推奨しているから、学生の起業率が他国の他大学と比べて格段に多いわけではない。ただ、ここで学び、失敗を重ねた学生が、卒業後に大きく花開いていても不思議じゃない。起業するときには、たくさん失敗しろ!といわれるが、失敗が推奨され、しかも支援が受けられる環境で揉まれることで、モチベーションがあって、起業の実地レッスンを受けていた学生たちの、卒業してからの成功率は大きく上がるんじゃないかと思う。

DTUでは、起業家精神を数多くの学生に埋め込もうとしていて、垣根低く、起業に必要な基礎知識を盛りだくさんにした授業を提供している。北欧でも、起業家コースなどを設置してる大学が多々あるが、少数精鋭が普通である。これでは、年間60人ほどしかリーチできない。一方、DTUでは、春と秋学期に開講、一講座で200人程度の学生を教育する。このような授業が、前述のSkyplabで実施されたりすることで、学生はSkylabの存在を知る。そして、環境を活用していくようになる。

自分が学生の頃こんな環境があったらな、と改めて思う今日この頃。