北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

外国人の私が意識調査を依頼される時

f:id:jensens:20151123171000j:image自宅に着いたらオルボー大学から封書が届いていた。オルボー大学とは今まで何も関係がなく、何が起こったのかと封書を開けてみると、同封されていたのは、とある社会学?の教授からのレターと日本語とデンマーク語2通のアンケート用紙だった。このアンケート、つまるところ、「日本人である私」に、デンマーク社会についてアンケートに答えてくださいというものだ。なにに驚いたって、日本語のアンケート用紙が付いていたことだ。デンマーク在住の日本人は1,500名ほどと言われ、デンマーク社会の中でもマジョリティではあり得ない。どれぐらいの人が抽出されたのかわからないけれども、私が大当たりなのか、それとも全居住者対象にしているのか...。その他の国籍を持つ外国人にも同様のアンケートをしているのだとすると、どれぐらいの翻訳量で何人の翻訳家を使ったんだろう?

Dine holdninger til samfundetと題されたアンケートの内容は、デンマーク語能力やデンマーク社会が平等だと思うかなどの53項目から構成されていて、現在デンマーク社会で課題となっている疾病手当、高齢者福祉、失業手当、働けない者支援、再配分について、政府が責任を追うべきか(もしくは家族、親戚、NPO、民間企業が責任を追うべきか)、納税者が受けるべきか(国民に限定するか、誰でも受け取れるようにするか)などが主な質問項目だ。

その他、学歴や支持政党なども個人属性の判断のためだろうか、問われていた。笑えたのは、個人属性として、「日本には様々な民族が住んでいるが、あなたはどこに属するか?」という質問項目で選択肢が「日本人、韓国人、部落民、その他」となっていたことだ。カテゴリーが間違ってないか?

民族の認識は、国によって大きく異なる。米国では、日本系米国人などの言い方が一般的だが、北欧では、トルコ系デンマーク人などとは言ったりしない。

そして最後の質問は、もちろん「あなたの幸せ度を0-10で示してください」だった。私の回答は明らかに「不正確」だ。幸せな時もあるし、不幸せな時もある。0-10の数字でなんて示せない。

ちなみに、このアンケートは、CPR(デンマークの個人番号制度)に基づき対象者が無作為抽出されたものということだ。CPRデータに基づき、日本人としての私が抽出されたということだろう。デンマーク政府は、社会的意義のある調査・研究である場合、公的組織に国民のデータ活用を許可している。