Art Nordicという200人の個人芸術家を集めた展示(販売)会が,2014年に開催された.義理の母は画家で,デンマーク各地の展示会に出品し,昨年ここArt Nordicにも出品していた.今年も参加するということで,Art Nordic2015を覗きにいった.場所は,Øksnehallenと呼ばれるコペンハーゲン中央駅裏のかつては豚の解体が行なわれていた食肉工場エリアで,2015年には,300人の芸術家が集まるもう少し規模の多い展示会になり,Nordicというものの,フランスや中国からの芸術家のブースも散見された.おそらく,Nordicと関連の深い人たち何だろうと思う.
実は,義理の母の晴れ舞台(?)ではあるものの,今回は行こうかどうしようかかなり悩んだ.行かない理由を探していたというのが正直なところだ.というのも,前回の展示会は,どうもアマチュアのお遊びみたいな展示が多く,星新一の近未来小説を思わせる状況に辟易したからだ.北欧は,趣味の国.仕事は,そこそこに済ませ,後は趣味に時間を費やす.時間と金をふんだんにあり余すシニアが,自己満足で作品を作り,アーティストの真似事をしている,とは言いすぎだろうか.おそらく,アートで生計を立てている人はほとんどいないんじゃないだろうか.
ただ,今回は,少し様相が違った.もちろんアマチュア作品も多く見られたのだけれど,収穫が幾つかあった.一つは,こちらのDitte Norstromさんの作品.オンラインの写真では,本髄が伝わる気がせず残念だが,色を最低限におさえた北欧の,おそらくスウェーデン南部をモチーフにしたタペストリを作成している.線や空間で景色を表現する技法は,前を通るとハッと息を飲んでしまう美しさだ.
非常に手が込んでいて,値も張るのだけれど,そのうち自宅のまだガランとしている壁一面にかけられるぐらいの大きな作品をお願いしたいと夢は広がる.