ウプサラは、ストックホルムより北に40分ほど特急電車で行ったところにあるが、今回ウプサラ訪問で一番記憶に残ったのが、ウプサラの人たちが、口を揃えて「こんな天気のときでほんと申し訳ない、残念無念」と言っていたことだ。
どうやら私たちが行く数日前は、-20度前後まで気温が下がり、雪も積もっていたらしい。私たちがストックホルムに到着する1日ほど前に気温が大幅に上がり、ウプサラ訪問時は、5度程と暖かく、霧雨が降っていた。"雨は確かに残念だけれど、マイナスは困るし、ましてや-20度は、ちょっと困る。あぁ、先週でなくてよかった"。と思ってた私としては、いく先々で「先週は本当に、ここらしい天気だったのに」とか「本当にこんな天気で申し訳ない」と言われるたびに、それはスウェーデン式ジョークでしょうか…、と聞きたい誘惑に駆られたわけだ。
何人にも言われたことで、ウプサラの人は本当に「残念」で「申し訳ない」と、"私たちのために"悲しく思っていることがわかり、ここでまた驚嘆させられた。
確かにグレーの天気と景色と、あちこち水浸しの街で、いい時期とは言えないかもしれない。確かに、クリスタルクリアな粉雪や、まるで空気が張り詰めるようなマイナスの大気を感じられるのは、嫌いじゃないし、残念だったとも言えなくもない。
ただ、感覚の違いの深淵を垣間見て、目眩を感じざるをえなかったことも確かだ。