北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

pony: 若さ溢れるポニーそしてポニーキックス:)

f:id:jensens:20170916031956j:image最近、知り合いが探してきてくれたレストランPonyに行ってきた。マンネリしてきたなと思っていたニューノルディック料理(新北欧料理)だったのだけれども、カジュアルな雰囲気といい、オープンキッチンで働いているシェフたちのエネルギッシュな雰囲気といい、北欧の食の今を堪能。今、私の中では、新北欧料理の中での一押し!になった。

 何が良かったのかなとよくよく考えてみると、今のところ、ワインのセレクションといい、食材の選び方といい、地に足がついていると同時に、こだわりのビオが隅々まで行き届いてるのが良かったんだという結論に至っている。マッチョなシェフたち(女性が厨房にもサービスにも一人もいなかった!)が紡ぎ出す繊細な精錬された一皿一皿と食材のセレクション、そのギャップが面白くて、思わず説明している顔をじっと覗き込みたくなった。

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ダックハーツ!

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デンマークが誇る根野菜、セロリの一品。あの細長いセロリだけではなく、ゴツゴツした白い岩のような野菜もデンマークでは市民権を得ているセロリだ。上に乗るセロリチップスも味があってよい。

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そして、パンはローカルの粉を使ったお手製。そう説明してくれたので、「え?地元?」(ヴェスタブロで作ってるの(๑˃̵ᴗ˂̵)?と聞いたら、「はい!その通りです。」と真面目な笑顔で答えてくれた。味のある美味しいパンに、バターにはカロリーの低いバターミルクをフワフワにして加えてあって軽い舌触り。バターも含め好みの味だ。

 

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緑豆系にホースラディッシュ(西洋ワサビ)のピリ辛がアクセント。緑味、葉っぱの味は深みがあって、若々しく苦い。北欧料理の真髄だ。

 

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小さなソラマメが美味しい。

 

そしてカップリングのワインは、おそらく全てビオだった。この赤は混濁していて余計な調整のための措置が全く取られてない。ワインは、今回の食事が楽しかった理由の一つでもある。王道ではないワインは、自分で探してくるのも難しいから、特にこんな出会いに感謝だ。

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 メインは、チキン…というかササミ?!付け合わせというか、ソースが絶品だった。ベビーコーンにポップコーン🍿秋のデンマークの味覚、カンタレラ(オレンジのマッシュルーム)に、チュッティベア(?半透明の酸味の利いたベリー)。この異なる味わいと舌触りの妙とちょっと強めのソースは、締めの料理として、なかなか計算されていた。

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そしてデザート。

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全体的に調和が取れ、かつ驚きも次々に出てくる、素材的にはかなり安いものを使っている印象だが、わたくし的には新しい発見の多い食体験。いやはや、楽しかった。

ところで、ここレストランPonyは、北欧の食最新事情に掲載されていたように「Kadeau Copenhagen | Michelin starred restaurant」のスピンアウトだという。記事の中ではノルディックビストロなんて名前が付いていて、なんとなく気軽に行けるイメージが作られている。いや、確かにGeraniumやノマの高価格帯ではないし、肩肘張らないという意味では「ビストロ」系だけれども、決して安い価格帯ではない(しかも、同じようにカジュアルストランとして挙げられている「Amass Restaurant」は、かなりの高価格帯で、ちょっとイっている)。しかも、レストランPonyは、ワインのセレクションといい、ポップコーンといい、かなりの玄人好みに思える。新北欧料理初心者には、典型的なところがいいかもしれないとおもうので、ここはあまり勧められないかな。でも、繰り返しになるけれども、わたしは好きだ。