北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

子供の脳の仕組みは謎だ

音楽の力、子供の吸収力 学校からの帰りがけに、下の息子が突然歌い出した。機嫌が良くて歌を歌うということがそれほどあるわけではないので、ちょっとびっくり。しかも日本語。「白い靴、かなり最高〜!」聞いたことがあるけれども、なんの歌だろうと一瞬考えて、すぐに思い出した。

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 10日ほど前にスウェーデン・スコーネ日本人会が開催した記念行事の「マジックと音楽と絵本のコンサート」で大友 剛さんが音読した「猫のピート」の歌だ。 以前、スウェーデン・スコーネに住んでいたこともあって、時々Malmoに遊びに行くし、LundやKarlskronaなど好きなエリアはたくさんある。

今回は、たまたま日程が合ったこともあり、スコーネ日本人会の記念行事に申し込んで行ってみた。日本の子供向け番組などはほぼ見ない(見られない)ので、大友さんのことは知らなかったのだが、「マジックと音楽と絵本のコンサート」は、個人的には内容もかなりヒットだったし、大友さんの人柄というか暖かい感じがなんともほんわりとして、気分のいい時間を過ごした。マジックはすぐに仕掛けがわかるものもあったりしたんだけれども、話の持って行き方とか、組み立て方とか、大人へのメッセージも所々に埋め込まれていて、よく練られているところにとても感銘を受けたりしていた。特に好きだったのが、茶色の紙袋のマジック。中のブルーベリージャムとイチゴジャムの瓶が入れ替わるというもの。最後のオチも素晴らしい。そのあとの、デジタル画像やヴィジュアルをうまく使った「猫のピート」の音読もとても良かった。

その「猫のピート」の物語で大友さんが歌い観客も一緒になって歌った歌を、10日ほどたった今日、なぜか息子が歌い出したのだ。正直驚いた。というのは、当日の息子の反応はあまり良いとは言い難く、イベントの時には、歌も一緒に歌ってなかったし、マジックも楽しんでいたのかどうか、よくわからなかったからだ。イベント終了後もマジックの話は10歳の娘としたものの、息子とは特に話題にすることなく、時間がすぎて行った。

さらに、最近息子はあまり日本語を話さなくなっていて、特にエンタメ系ではデンマーク語が主流。歌も物語も、テレビやYouTubeデンマーク語。母親との会話はかろうじて日本語だけれども、わからないと娘の方に「どういうこと?」とデンマーク語で聞いてるし…。

インパクトのある経験は、一見しただけではわからなくても心の奥底にはきちんと届いていて、改めて心の底で消化してから出てくるんだろうか。大友さんのメッセージやその時の経験は、じんわり、ゆっくり伝わって、息子の中で孵化されて、それが今回の「歌」に繋がったんだろうか。シンプルだけれどもとてもよく練られているプログラムや大友さんの暖かい人柄がベースになって、歌や音楽の潜在的な力を見せつけられた気分。なんだか胸が熱くなった。