北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

紙の本の行方

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デンマークに住み始めて14年。最初の頃の大きなストレスの一つは、日本の本が(すぐに)読めないことだった。読みたい本があってもすぐに買うことができない、本屋さんでパラパラ試し読みすることができない。

 そのうちKindleを使い始め、意外と電子書籍も使えることにも気付き始め、さらに本好きの知り合いと本の交換会をしたり、図書館に日本語の書籍を置いてもらえないのか問い合わせたり...。今考えるといろんなことを試してみた。その時の友人の一人が達成させた「えほんのタネ」というプロジェクトは、今でも目頭が熱くなるぐらいの素晴らしいプロジェクトでその「日本の寄贈された絵本をデンマークの図書館に置く」プロジェクトを主催されていた方の熱意と達成力には尊敬の念を禁じ得ない。

今でも頻繁に日本出張にかこつけて大量の本をデンマークまで持ってきたりしていたのだけれども、最近は増えすぎて整理しなくてはいけないと思うようになってきた。ただでさえ所有書籍が多いのに、帰任して日本に帰る人からたくさん貰い受けたり続けていて、収拾がつかなくなってきてしまった。

最近、興味を持って試してみているのがValue BooksというところへのリユースリユースはBook Offなんかが有名かもしれないけれども、Value Booksの理念に感銘を受けて、本が大好きな人たちが本をどうにかしたいと頑張っているビジネスに何か貢献できないかなと思うようになってきた。そのメルマガに最近掲載されていた記事がとても秀逸だった。リユースなるべくしたいけれども、値崩れしていてできない本がたくさんある。その一方でリユース率が90%の出版社があることに気づいたんだそうだ。

www.valuebooks.jp

私たちは市場で値崩れしにくい本ばかりをつくっている出版社の存在に気がつきました。

あくどい企業もたくさんある一方で、何か社会のためにできないだろうかと考えて収益もあげている企業もあるということが、嬉しく思える。

デンマークは本が高額、かつ電子化のスピードがものすごくはやい。国立図書館もどんどん紙の本がなくなっている。私の後の世代はわからないが、私はもう少し紙の本を読み続けたい。だからこそ、何かできることはないだろうかと考えていきたいものだ。