北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

コンセプト・ディベロップメント

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2月から6月までの春学期に受け持っていたITUの授業「コンセプト・ディベロップメント」の口頭試問がようやく全部終わった。この授業は、学生グループが戦略コンサルタントとなり、地方自治体や企業が提供する課題に対しIT関連サービスのコンセプトを提案するというもの。セオリーやメソッドとしては、直球のビジネスモデルキャンバスやバリュープロポジションを学ぶのだけれども、ベースになっているのは、北欧のデザインの考え方だ。学生は、前期にデンマークの共創デザイン(CoDesign)の授業を受講しており、定性的なデータ収集方法や、インタビュー、観察の仕方を一通り学んでる。よって、コンセプトを考え出すためのデータ収集に使われる手法は、CoDesignで学んだものを使うことが多い。企業から提供される課題は、正解がない複雑性の高い課題だということもあり、曖昧に定義された社会課題なども多いので、従来の仮説検証型は向いてないことが多い。つまり、デザイン手法と親和性が高い課題を扱っているわけだ。コンセプトだけれども、それなりにお金の流れや人的コストなども一緒に考えることがテーマなので、単にコンセプトを作る授業には止まらず、それなりにビジネス妥当性も考えられている点が、面白い。

今までの授業では、デンマークの一流企業から中小企業まで様々な企業に参画してもらった。Top Denmark, bObles, ....。

日本でも、特に技術系に強くデザインに関心がある学生たちとこのような授業ができたら面白いと思うのです。どこかでやらせてくれないかな。