つい最近ドイツ(EURO圏)に住む日本人と日本に住む日本人(日本円)とデンマーク(デンマーククローネ)に住む私で、夕食を食べに行った。
夕食が終了して、会計の段階になったときに、旧時代のフラッシュバックに目がくらみそうになった。しかも(多くの夕食参加者にとって)外国なので、さらに一筋縄ではいかない。
A: 「えー、一人538クローネなので、ユーロの人は、72か3ぐらいでよろしく」
B: 「日本円でもいい?」
A: 「え…、いいですが、いくらぐらいですかね…。あ、お釣りあります、日本円で…、多分。」
C: 「さっき借りてた100クローネ足したら、いくら渡せばいいかな、ユーロで?」
...(つづく)
デンマークでこんな会話を聞かなくなってから、もう随分経つ。もちろん、通貨が異なる場合には悩ましい会話がまだまだ続いているのだろうけれども、それでもEUROかクローネぐらいだから何とかなっている。そして、海外出張者が周りには多いけれども、すくなくとも日常生活では聞かない。
一つにはモバイルペイという少額決済の仕組みが広くひろがっていて、デンマークに住んでいるもの同士なら、お金の貸し借りや受け渡しが、現金を介さずに即座にできてしまうから。
さらに、最近興味深いニュースを見た。モバイルペイ社の新しいサービスとしてWeShareというものが出てきたのだ。WeShareは、(海外をふくめた)旅行にグループで行ったときの会計支援アプリだ。多くの人が数人で旅行をしたときの会計に悩んでいるんだろうと思うが、このアプリを使えばそんな不安や不満がなくなるという売り。Aさんが何に支払い、Bさんが何を支払ったか、そして、どちらがどれぐらい貸し借りしているかを可視化してくれる。説明によると、為替換算もしてくれるらしい。
実際の使い勝手の方はまだまだ未知数だが(単に使ってみたことがない)、これって通貨が違う国の人同士でもストレスなく一緒に旅行できるようになる可能性を示していると思う。キャッスレスが注目されている昨今だけれども、通貨のダイバーシティにもITは貢献しているんじゃないだろうか。