北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

高学歴の女性は結婚に不利なのか

最近、エコノミストで何度か掲載されているトピックで「優秀な女性に怯える男性」に関わる記事群がある。例えば、「Meet the incels and anti-eminists of Asia 」や「Why young men and women are drifting apart」、などだ(英語だけれども是非とも読んでみ…

ノルウェーの第二次世界大戦とレジスタンス

デンマークの第二次世界大戦 日本で生まれ育った私は、北欧に住み始めるまで、第二次世界大戦中の北欧がどのような状態だったのか、よく知らなかった。それぞれの戦争がある、とはいえ、私が今住んでいるデンマークは、1日でナチスドイツ軍に降伏し、その後…

デンマーク産ウィスキーの勧め

デンマークが、ウィスキーを作っていることを知っているだろうか。ウィスキー業界のいわゆる新参者であるデンマークは、この10年ほどで多くの賞を取得するようになっている。 例えばユトランド半島南部にスタウニング、北部にThy Whiskey(チュ・ウィスキー)…

戦争の展示を見に行ってみた

現在デンマークでは、戦争や地下壕をテーマとするいくつかの博物館に、関心が高まっているらしい(DR.DK)。 DR.DKの記事で紹介されていたスカナボー博物館(Skanderborg Museum)では、2022年から2023年にかけての来館者数が約25%増加した。博物館の学芸員で…

ブラジル旅行のススメ

ブラジルは、飛行機で北欧から15時間ほど、西欧からは11時間ほど。日本から30時間以上かかることを考えると、北欧が生活の拠点であったら、行っておきたい場所の一つだ。

北欧の知られざる歴史を日本語で聞ける衝撃

知られざる 2022年の夏のマイブームは、歴史だ。ひょんなことから歴史の繋がりを見せてくれるポットキャスト「コテンラジオ」の存在を知り、大航海時代やスペインの覇権の詳しいストーリーが今までにないほど色を帯びて、目の前に広がる欧州の街並みに重なっ…

デンマークの美術館:Moesgaard Museum Vol.2

Moesgaard Museum(モースゴー美術館)に行ってきた。オーフス(Aarhus)南に位置するモースゴー美術館は、建築も環境も素晴らしく、展示も今までがっかりさせられたことがない。よっぽど優秀な学芸員がキュレーションしているんだろうか。 一般的には、デンマー…

Hven/Ven島に行ってきた

夏が来た。 というのは大袈裟にしても、ここ数日快晴の心地よい日が続く。八重桜が満開になり、菜の花畑があちこちに黄色い絨毯を広げている。 天気良さそうだからきっと自転車日和だよ、と、以前から何度も話題に上っては断ち消えていたHven/Ven島に日帰り…

デンマークの美術館:ルイジアナ美術館(Louisiana)

春先のルイジアナ ルイジアナ美術館 は、デンマーク旅行する人が必ず目指すとも言っていいモダンアートの美術館だ。立地も景観もとてもよく、目の前に透明度の高い海が広がり、庭園が美しい。「世界一の景観」とも言われるのも納得だ。日本人のランドスケー…

未来の図書館の姿:オスロ中央図書館(Diechman Bjørvika Library branch)

オスロ図書館:Deichman Bjørvika Library branch は、2020年に開館した新しいオスロの図書館だ。ビョルビカ(Bjørvika)地区に立地し、オスロ中央駅やオスロ・オペラハウス:Oslo Opera Houseに隣接するロケーションの良い場所にある。他の北欧の新図書館におと…

9歳にワクチン接種をするとき

12歳以下へのワクチン接種が解禁されたという連絡が政府から届いてから数ヵ月。予約待ちなどもなく、当日も特に待たされることもなく、9歳の息子の2回の接種を完了させた。生誕から数年間受けてきた各種予防注射、たとえば乳幼児期の五種混合などでも感じた…

あなたがもし10歳で親がアル中だったら

私は、小学生の頃、朝日小学生新聞を読んでいて、いつも「忍たま乱太郎」の漫画を楽しみにしていたが、デンマークにも同様の子供向け新聞がある。その名もBørneavisen(børneは子供、Avisenは新聞)。子供向けなので単語が優しく、ちょっと難しい時事単語など…

レジスタンス・ミュージアムに行ってきた

レジスタンスミュージアム「戦争は白黒で判断できるものではない」 コペンハーゲンでも有名な観光名所、カステレットの横に、「Freedom Museum」がある。デンマークがナチスドイツに占領されていた1940-1945年の間の抵抗運動の軌跡を記録している美術館だ。2…

未来の図書館の姿:Copenhagen Central Library

Copenhagen Central Library(コペンハーゲン市中央図書館)は、1885年までその起源を遡ることができるコペンハーゲン市図書館群の中央図書館である。 1885年に6館2室(読書室)から始まったコペンハーゲンの図書館は、現在では、中央図書館および地域の20館から…

葬式や命日をする理由

先日は大好きな伯父の月命日だった。コロナ禍の期間に亡くした親戚は2人目となる。祖母の葬式にも伯父の葬式にも、何があっても駆けつけるはずだったのに、コロナに阻まれた。飛行機はあった、旅費だって捻出すればどうにかなったはずだ。ただ、3日間のホテ…

デンマークのヤンテの掟

デンマークが大好きだ、北欧文化に関心があるという日本人と話をすると、時折「ヤンテの掟」が出てくる。多くの場合、「ヤンテの掟」は、北欧人は謙虚であるというポジティブな文脈で紹介されることが多い。デンマーク(北欧人)の価値観として紹介されること…

北欧のミライの図書館

" data-en-clipboard="true"> DOKK1の入口付近 最近の北欧の図書館は面白い。昔ながらの図書館は今やオンラインに移りつつあるようだ。本を借りるだけならわざわざ図書館にいかずともオンラインで借りることができる。 " data-en-clipboard="true"> " data-e…

雄大な景色を見た時に感じるあの感情はなんなのだろうか

雄大なノルウェーの雪に覆われた山々、断崖絶壁のフィヨルド、目の前にそんな大自然を見たときに、ちょっとした寂しさを伴う感情を覚える。あの、ちょっとした寂しさを伴う感情はどこから来るのだろうか。悲しいわけではないはずだけれども、ちょっとした寂…

スウェーデン王の公然の秘密を知ってしまった

Atlantic Crossing ノルウェードラマの躍進が止まらない。私の中で。 国営放送が作り出すドラマや映画が、この数年次々に公開されている。特にナチスドイツ占領下の物語が次々に公開されている。ノルウェーの誇りを示す物語として国民から人気を博していると…

皆でつくる社会

首相:「これまでの間の国民の皆さんの御協力に感謝申し上げますとともに、全ての地域で緊急事態宣言を終えることができず、誠に申し訳なく思っております。...自治体と協力し、医療体制の確保も全力で行います。引き続き制約の多い生活で御苦労をおかけいた…

コロナ禍のレミセ公園に行ってみた

新聞の記事で、去年の秋頃にAmager(アマー)にあるレミセ公園に新しい巨人が登場したことを知った。この「おしゃぶりトロール(Suttetrolden)と名付けられた巨人は、すでにコペンハーゲンエリアにある廃材トロール作品の最新版だ。アーティストのThomas Dambo…

最先端の研究が伝えるバイリンガル教育の鍵

バイリンガル教育にとって、大切ないくつかの「鍵」がある。言語学の中でも多言語教育を専門にしているソフィーが言うには、最も重要なのは、言語を混ぜないこと。 例えば我が家は、日本人の私、デンマーク人の夫、娘と息子の4人家族だが、私と夫は英語、私…

異文化の分かり合えなさは永遠に続くのか

しばらく悩み続けていることがある。親切心であることがわかるから受け入れたいのに、私の心はギョッと反応してしまうことに関してだ。そして、私は自分の心の狭さに驚き、自己嫌悪に落ちるのだ。 ちょっと前に、「ファスト&スロー」という書籍でダニエル・…

『ユーロビジョン歌合戦』を薦める理由

Netflixのお馬鹿映画、『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』(Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga)が面白かった。 youtu.be ユーロビジョン・コンテストは、1956年から欧州で開催されているソングコンテストで、国の代表者がコ…

「鮨あなば」にいってきた

鮨あなば:カウンター8名限定だ あのコペンハーゲンの超有名寿司屋『鮨あなば』にいってきた。予約を取ろうと思い立つときには、毎回ウェイティングリスト待ちしか残ってない。日本で食べる方が断然美味しいことには変わりないだろうし、頑張って予約するま…

2020年夏Vol.3: おいしいレストランに行ってきた

La Table de Kamiya 自宅待機期間になんだか手持ち無沙汰で、Twitterをよく覗いていた。その時によく見かけたのが、料理を教えてくれるレストランのオーナーシェフや美味しいチョコレートを作るパティシエのツイート。こんな時だからちょっと時間かけて美味…

2020年夏Vol.2: ボルドー旅行の勧め

ワイン畑があちこちに広がる ワインを飲むようになってから、ボルドーがずっと気になっていた。新大陸より欧州、イタリアよりフランスのワイン。ブルゴーニュよりもボルドー。心をがっつりつかまれるような深い濃い色と渋みの強いボルドーワインの味。年を重…

風呂場で歌わない人はサイコパスであるという件について

娘がシャワーを浴びながら何事か喋っている。時々歌が挟まり、おしゃべりも加わる。なんだか楽しそうなんだけれども、シャワールームに娘は一人。独り言だ。隣に座っていた旦那に、「君もシャワー浴びながら独り言を言うよね?」と話しかけると、「しないの…

2020年夏 Vol.1

コートダジュールパンプローヌビーチ(Pampelonne)も人がそれほどいない 17時間車を走らせて、ボルドーに住む小中高時代の友人に会いに行った。15年の間、現れては消えていたボルドー訪問が現実になったのはコロナのおかげかもしれない。長い休みには、日本や…

ベジに未来を見ているバイキング達

Naturli'のCEO ヘンリク・ルンドさん 「未来を知る最善の方法は自ら創り出すことだ」The best way to predict the fture is to invent it. コンピュータサイエンティスト、アラン・ケイのこの言葉は、私の尊敬する指導教官が事あるたびに言及していた言葉で…