北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマーク産ウィスキーの勧め

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デンマーク🇩🇰が、ウィスキーを作っていることを知っているだろうか。ウィスキー業界のいわゆる新参者であるデンマークは、この10年ほどで多くの賞を取得するようになっている。

例えばユトランド半島南部にスタウニング、北部にThy Whiskey(チュ・ウィスキー)がある。

両者共に、デンマーク・ウィスキー #danishwhisky 🥃のライジングスターたちだ。驚かされるのは、2012年ぐらいに製造を始め、10年の短期間に、欧州一と言われるまでに成長したことだろう。

両者に共通するのは、伝統を重視する丁寧な職人仕事なんだろうと思う。地元のアセットを大切にし、昔ながらの製法から学び、今の北欧形作るサステナビリティ配慮、サーキュラーの考え方も忘れずに、丁寧にプロセスを作り上げている。

Thy Whiskey(チュ・ウィスキー)

1900初期からの歴史を誇る農家が、ウィスキー醸造を始めた。チュ・ウイスキーの特徴は、2つ。①ウィスキー醸造を中心とした農業エコスステムをエリア全域で作り上げていること。②素材を吟味し土着の品種を再生させ、素材としていること。

 

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「ウィスキー蒸留所が、牛を育てているのを不思議に思う?」そう尋ねたオーナーが、続いて述べたのは、土地のエネルギーを循環させることの大切さ。オーガニック農法において、同じ土地で同じ品種を育てすぎると土地が弱ってしまう。複数の穀物を育てて土地を、土を育て続ける。だから、複数の穀物を育てて土地が痩せないようにし、長期視点で土地を作り、環境全体のエコシステムを作り上げる。牛も立派な地球の循環の仕組みcircle of lifeの一角を担ってる。

 

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ウイスキーの原料として使われている穀物は、古来種だそうだ。1900年初期に使われていた種子をデンマークの誇るシードバンクから取り寄せ、数年かけて、オーガニック農法に則り麦を育てて原料として使えるまでの収穫量にした。初期は、他から仕入れた麦も混ぜていたが、現在は、100%オリジナルの大麦を使っている。全て、この地域で直生産・収穫の麦を使い、モルトを蒸留し、ボトリングをおこなう。

近年、シングルモルトが流行りなのは、生産される地域や蒸留所の個性が明確に出てくるからだという。地域の麦、土地の水を使い、土地のテロワールを向上させて、品質を上げ続けているチュ・ウイスキーは、今後も王道をいくだろう。

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樽は二次利用のもの。米国のバーボン樽などが使われている。


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蒸留所では、お決まりのテイスティングもできる。
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薫りを楽しみ、アルコール臭が抜けた醇浩な甘さが鼻腔を抜ける。雄大なthyの草原を思い起こさせる軽やかな香りが口に漂う。スモーキーな3種目は、玄人向けだろうか。

 

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