北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

Kalaset: カラセットに行ってきた

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デンマークは、独特のカフェ文化がある。最近よく聞くHygge(デンマーク)やFika(フィッカ、スウェーデン)とも関係してくるかもしれないが、パリのカフェのようなちょっと気取って行く場所でもないし哲学の場でもない。どちらかというと、居間の延長だ。

マックを膝においてコーヒーを飲んだり、友達とおしゃべりしたり。一人で思索に耽ったり、本を読んだりするそんな場所だ。

昔、偶然入って以来好きなカフェがノアポートにある。

Kalasetというカフェは、まるで自宅にいるかのように過ごす人たちであふれていて、ベジタリアン系の料理が豊富でしかも美味しい。いつも混んでいるのが難点だけれど。

Kalaset: http://kalaset.dk/

都市のたたみ方

f:id:jensens:20171203181225j:imageしばらく一緒に研究や仕事の手伝いをしていてくれたYくんが、日本に帰国することになった。ご挨拶に来てくれたのでちょっとおしゃべりをしていたのだけれども、いつも刺激を受ける。

今後師事することになる首都大学東京の先生の話やら、都市計画をいかに進めていくか。デンマークエコビレッジが参考になるんじゃないか、と言う話は面白かった。

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北欧の食事情

 

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White Guideという北欧発のレストランガイドがある。ミシュランがフランス発のレストランガイドとすると、その北欧版とでも言えるのがWhite Guideだ。欧州の僻地にある北欧のレストランでも、ミシュランの星や推奨をもらうレストランが近年増えたけれども、White Guideは、北欧に特化したレストランガイドを提供しているが故に、北欧在住者にとっては何よりも嬉しい高品質のレストランガイドだ。

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ヘルスケアイノベーションの今

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Healthcare Innovationというコペンハーゲン大学rsk Tårnetで開かれたヘルスケアイノベーション会議に参加してきた。デンマークのヘルスケア関連機関、大学、地方自治体、広域自治体が、一同に会す会議だ。以前参加したCPHヘルスイノベーション - 北欧生活研究所と同じくEUなんかからも資金が来ている参加無料(昼食、シャンパン付き!)!の会議だった。ちなみにこれはメモですので悪しからず。

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海外生活の心得


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海外生活、トータルで20年弱となった。幸いなことに滞在地は先進国ばかり(米国とスウェーデンデンマーク)で、特に危険を身近に感じたことはほぼ皆無だが、きな臭い話を欧州で聞くことが結構日常になってきたという感覚が正直なところだ。

危険そうに思えても大丈夫、特に日本人をはじめとしたアジア人にはトルコ系の人は優しいから…、そん風に聞かれれば答えていたけれども、やっぱりもうちょっと注意しようって思ったことがあった。きっかけは「ゴルゴ13✖️外務省」…。

実はデンマークでは、ここ最近ノアブロと呼ばれる地区で発砲事件がこの一年ほどで42件(昨日11月9日もあったらしい)、ギャング同士の抗争だが一般市民も巻き込まれてる。コペンハーゲンではまだ大掛かりなテロ事件は起きてないけれど、警戒レベルは上から2ランク目のsignificantに指定されているそうで、デンマーク国は今の国内の状況をそんな風に捉えているのかと、ちょっと背筋が寒い。

とは言っても、毎日の生活は平穏極まりなく、スリの心配を時折するぐらいなのだが…、頂いた日に一晩で「ゴルゴ13✖️外務省」完読。初ゴルゴ13でかなり戸惑いもあったのだが、外務省がどういう顔してゴルゴ13とのコラボに取り組んだのか考えながら読んでいるとおかしくて、しかも時折外務省文書が挟まれ、しつこいぐらい「たびレジ」説明があり、「在留届」出しなさい指令もあり、背後に見え隠れする会議@外務省(もしくはさいとう・たかをさんの自宅?)などをイメージしつつ…、書かれている内容も「襲撃されたときの初動体制(初動って何?!)ー最初の30分が勝負-」とか切実かつ実践的で、つまり、真剣に拝読しました。そして、改めて自分の身は自分で守れるようにしておかないと、と思わされた次第です。

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これからクリスマスシーズンに突入するし、いつ車が歩道に突っ込んんでくるかわからないので、十分用心して毎日過ごしたいと思います。

欧州在住者も平和ボケのみなさんにもおススメです。読むと身が引き締まること間違いなし。

 

 

 

 

デンマークの歴史入門

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デンマーク国営テレビ局(DR)が放送していた全10回のHistorien om Danmark(デンマークの歴史)が終了した。そして最終回で炎上した。

この番組、いわゆるデンマークの歴史ドキュメンタリなんだが、涙が出るぐらい作りが秀逸だ。DRの資金力と企画力のメディア魂を感じさせられる。こんな高品質の映像が作られるのであれば、受信料を取られても全然オッケー。

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デンマーク税務局の創造性

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高福祉高負担社会デンマークの中心になっているのが税金。税金を確実に集めることなしにデンマークの社会は成り立たない。だからこそ、確実に正確に納税を果たしてもらうために多くの努力が払われている。その中心となっているのがSKAT(税務局)だ。確実な収税の要となっているのがITシステムで、IT無くして現在のSKATは成り立たない。そして、デンマーク電子政府システムは世界の中でも先端を行っていると言われるが、その中でも尖って先端を行っているのが税務局なんじゃないだろうか。使い勝手を向上させるためペルソナや参加型デザインを駆使し市民を巻き込み、利用者の話を聞き、デザインの改良を加え続け、現在のシンプルかつ、利用促進するデザインになっている。トップ画面はまことにシンプルで市民と企業のログイン画面が中心で悩みようがない。可視化はできないけれども、見えない仕組みの部分も詳細をうまく機能させるためのかなり尖った唸らせる工夫が満載で、税システムやITが大好きなオタクたちがこの組織にはたくさんいるんだろうなと、思わず笑みが漏れてくる。SKATに30年勤めているBoさんの話を聞いていると、もしかしたらガラパゴスなのかもしれないと思わされるのだけれども...(これに関しては後述)。

機会を得てSKATを訪問し、税務関連業務や徴税の電子化にまつわるいくつか興味深い事実を知った。

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