北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークの公共空間が素敵なわけ

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デンマークを含め北欧に来た人が驚くことに、公共空間が整備されていること、図書館や大学といったような公共空間に、良いモノが使われているということがある。
確かにデンマークの公共空間や公共建築は、一流のデンマーク建築事務所のデザインで、色合いが統一され、使われている家具やランプは、皆が知ってるぐらい有名な作家のものだったりする。

これ、国民の59%とも言われる税金でまかなわれている訳で、かけられている費用を考えると、無駄に税金が浪費されているように感じざるをえない。一方で、自宅でデザイン家具を使える人はほんの一握りだし。

ただ、フランスなどの他EU国や米国を旅行してきて最近感じることがある。国民が同意できるのであれば、公共空間を充実させるのは、幾つかの点で望ましいのではないか、ということだ。

1. 訪問者に良い印象を与える
2. 犯罪予防
3. 生活の(ほぼ)全てをアウトソース

1は、観光客の評価からもわかるということで、省略。2は、まあ、想像通り。デンマーク外に行くと感じることだけれど、キレイな空間では、犯罪が起きにいんだろうとおもう。暗いエリアがなくオープンなつくりになっていることで犯罪予防に一役買っている。今大改装をしているnørreport(北駅)は、改装前は陰気な雰囲気と悪臭漂う駅で、ホームレスもたむろしていたし、下車したくない駅だった。何かあってもおかしくなさそうば雰囲気があったものだ。今では、不可思議な人がたむろっている様子はない。

3.は、まさにデンマークならでは。特にコペンハーゲンは、住宅難で、広い家やアパートは、入手が難しい。お風呂付きも難しい。ところが外に目を向けると、スペースがゆったり取られ、素敵な座りごごちの、居間がわりになりそうな図書館が街中のアクセスしやすい場所にある。天気が良い日は、鳥の鳴き声が素敵な、芝が整えられ、公園が庭がわりになる。公共プールには、サウナもジャクジーも、予約してプライベートで使える(有料)お風呂もある。

個人で所有するものはミニマルに、公共で所有するものはLUXを追求するデンマーク。メンテだって公共がしてくれるから、これほど楽なことはない。高い税金の使い道がうまく自分のニーズに合っていれば、バランスがとれ、かつ、手間も最小限な日常生活が送れる国なんだ。自分のニーズに合っていれば…