ほぼ満期が近づいてきた2015年6月、国政選挙が実施された。満期の2015年11月まで、のこすところ数ヶ月だったのだが、再選を狙うヘレ・トーニング首相は、程よいタイミングを狙い(かつ夏休みにひっかからないように)、5月末に、総選挙が告示された。
ところで、今回の総選挙では不思議なのことが、いくつかあった。
もっとも驚きなのは、デンマーク国民党という政党(党首クリスチャン・チュールセン・ダール氏)が、野党陣営で自由党を抜き、最大政党となったこと。この政党ってネオナチと言われていることもあるほど、(特にムスリムに対する)差別的発言が続く政党だ。支持を伸ばしていることは、選挙前から明らかだったけれども、本人たちも得票率が伸びすぎて驚いていたんじゃないだろうか?
昨年の選挙では、注目されていた急進自由党という政党は、ほとんど見る陰もなかったし、社会人民党というこれまた数年前までは注目されていた党も、それほどプレゼンスが高くなかった。私だけかもしれないのだけれども、この2政党は、今回の選挙戦で何をやっていたか記憶に残っていない。よくも悪くも、前回の選挙では、2党の党首のアクが強く、主張をきいているだけで、興味深かったことを思い出す。同時に、デンマーク国民党は、持ち前の発言力(?!)政策提言で、物議をかまして、プレゼンスは非常に高かった。
注目されるには、政党党首のアピール度が不可欠なのかなと思った今回の国政選挙である。