北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

自転車ハイウェイ用のアプリを使ってみた

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とある記事で52日にコペンハーゲン首都圏エリアの13市にまたがる5ルート115Kmのスーパー・ハイウェイ(高速道路)が開通したことが報道されていた(関連記事自転車用高速道路がある国 デンマークの「人を幸せにする仕組み」4 | NEXT MEDIA "Japan In-depth"[ジャパン・インデプス])。そういえば気が付いたらいつのまにか自転車ハイウェイのロゴや、コペンハーゲンの主要ランドマークへの距離や方角を示した標識が自転車道に設置されていて、コペンハーゲンの自転車ハイウェイ計画は順調に進んでいるんだなと思っていた矢先のことだった。

記事を読んだ時に知った首都圏レギオンが出しているCycle Planenという道路検索アプリの存在を知って早速マイiPhoneにダウンロード(無料)、片道10キロの自宅から職場までのルートを自転車で行くことにした。

 このアプリ、グーグルマップナビ付きのような非常にシンプルな経路検索案内アプリなんだけれども、サイクリストをターゲットにしている。地図データは、クラウドソースのOpenStreetMapから取得され、日々アップデートされている。シンプルな仕組みであるけれども、細かい使い勝手に配慮が行き届いた仕様になっていて興味深い。ルート案内では、最短ルート、快適ルート、公共交通機関ー電車やメトロ(地下鉄)を使うルートの3種類が表示される。仕様によると自転車では非常に走りにくい石畳や一方通行を避けたルートが提示されるんだそうだ。欧州での自転車経験者はわかるだろうが、石畳の自転車走行はかなりきつい。ガタガタしてスピードは出ないし、ちょっと間違えると車輪が石の間にハマり、ハンドルを取られて危険極まりない。また、デンマークの自転車交通ルールは厳しいので、逆走しないように(逆走だけで1万円ぐらいの罰金)、また一方通行の道路に入り込まないように、特に気をつける必要がある。説明書きを読んで、よくコンセプトが練られたアプリだなというのが第一印象だった。

自宅から職場への道のりは快適ルートを選択、日中外でのミーティングや眼科検診があったのでそこも自転車で行き(一部電車と併用)、自転車三昧の一日になった。帰りは、ヘトヘトになっていたので、公共交通機関と併用のルートを選んでいる。1日使って見た感想だけれども、天気がよい日は、結構楽しめる。

今の家に2年間住んでいるけれども、林間ルートが自宅と職場の間にあるなんて知らなかった!ナビ通りに自転車を走らせていったら突然林間ロードになった。森林浴をしながら通勤できるなんて予想していなかったし、そもそもそんな道があったなんて、と驚きの連続だ。走行中に自転車ハイウェイにも何度か遭遇し、舗装された幅広道路の快適さに改めて感激。自転車用の橋もいくつか渡り、美しい水辺の景色と快適な走り心地に大満足だ。アプリを使うことで、今まで知らなかったけれども、通勤圏内に自転車で走ると快適な道が多々あることがわかり、新しい発見に大満足だった。

もちろん改善希望点もたくさんある。まず、ナビ音声がわかりにくい。大通りはもとより細い道の名前なんて覚えてないし、道の名前を言われそこで曲がれと言われても、第一にタイミングが悪すぎ。また発音が英語読みで混乱させられる(Googleナビも同じ)。ヴァイ(道)という指示をヴァッジ(英語読みの”道”)と言われて指示されても混乱するだけだって。さらに、”ride on XXX” という指示が始めよく聞き取れず、right だと思って、右折してルート変更を何度してようやく間違いに気がついたり...。大方のサイクリストが選ぶ主要幹線道路とは異なる道を「快適ルート」では選ぶことが多いっぽいので、前の人について行くと近道だけれども残念な道を通ることになる可能性が高いこともわかった。何度も道を間違え、途中で確認のために止まり、40分のルートを1時間かけて走った。

あと、アプリのせいではないけれども、コペンハーゲン自転車道を使うときには上級者対策が必要だ。通勤通学のラッシュアワーでなくても、快適なハイウェイは熟練者が多い。概して彼らはヘルメットにぴったりユニフォームをまとい、ロードバイクでものすごい勢いで飛ばす。ママチャリで道路の真ん中あたりをチンタラ走っていると、ものすごい勢いでベルを鳴らされる。他にも、疲弊した身体を甘やかし電車に途中で切り替えたら、エレベータが使えなくて、重いママチャリを担いで階段を上り下りしなくてはならなかったのもきつかった。

自分が慣れれば解決できることも一部あるだろうし、今後の自分の習熟度に期待。

 

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ちなみにデンマークの電車は車内に自転車を持ち込め、一箇所のスペースは8台ぐらいおけるぐらい広い。そんな車両が常時4-6両あるので自転車での移動はかなり快適だ。ただ、メトロはラッシュアワーの自転車持ち込み禁止などの制限が一部あるし、国鉄電車もラッシュアワーは場所の取り合いになるので、要注意ではあるけれども。