北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークの父親教育

f:id:jensens:20170705001603j:image知り合いのデンマーク人男性でシングルファーザーがいる。結婚して子供が生まれたものの、奥さんは精神障害を持っていたようで、子育て放棄。結局、離婚して、知り合いの男性側が親権を獲得し、子育てを(自分の母親と)することになった。

この知り合い、独身時代から知っているデンマーク人男性なのだけれども、子供好きのタイプには見えなかったし、子育てを熱心にするようにも見えなかった。だけれども、子供が生まれてからの変容ぶりには驚かされた。自分の子供を愛していることがよくわかるし、自分の子供が一番可愛くて、優秀で...、良い意味で親バカ極まりない。

とは言っても、部屋の片付けなど女性が気にするポイントは、あまりに気にならないらしく、以前遊びに行ったら部屋はかなり散らかっているし、ホコリだらけ。ただ、子供の服装はきちんとしているし、しつけや教育にも熱心だ。

そんなデンマーク人パパを悩ませている問題が、デンマーク社会福祉局からのお誘いだ。どうやら、父親としての役割を学ぶための授業受講の要請がきているようで、仕事を休ませ、彼に「父親教育」を授けたいらしい。どういう経緯で父親教育対象者にピックアップされたのか詳しいことは聞いたわけではないけれども、なんとなく想像がつく。

そのデンマーク人パパ、実はかなり変わり者の天才肌で、あまり社会性がない。いつもジョークなのか皮肉なのかわからない軽口を叩いて、その態度は初めて会う人に対しても変わらない。公共機関の特に教育に王道があると思っているうるさいおばさま方には、天敵にされそうな人だ。子育て方法に合意ができない人から教育を受けても仕方ないと、呼び出しを無視し続けているけれども...。

ただ、あれだけ子どもを愛し子どもに英才教育を授けている父親を呼びつけて、父親教育をしようだなんて、馬鹿げてる。女性は、母親にどのようになっていくのか、考えて欲しい。特別な「母親」教育があるのではなくて、皆、試行錯誤で母親になる。男性だって試行錯誤しながら、父親になっていくんじゃないだろうか。

(写真の親子は、本文とは関係ありません)