北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマーク医療を評価する理由

f:id:jensens:20180430142826j:image

北欧の医療は素晴らしいと言う手放しで褒める記事や論文は多々あるし、逆に北欧に住み始めた日本人の不満の声も多くのブログや口伝えで聞く。13年住んだ今、デンマーク医療の背景となる病気や治療に対する哲学を知り、公的医療として無料で国民に提供されるがゆえの医療の質と量のジレンマもよく理解できるようになった。一個人としては、もっと充実させる方法があるとわかるがゆえに悩ましい部分もあるものの、数回の眼科手術をデンマークで受けた身としては、以前デンマークの医療は本当に悪いのか? - 北欧生活研究所で書いたように社会全体としては、とても良い仕組みになっていると言わざるを得ない。そして、以前言及したように、治療の質は二極化しているのでどちらの治療を受けたかによって個人の感想は大きく異ならざるを得ないと言う点も改めて協調しておきたいと思う。

続きを読む

AviciiとSaksとPottsの共通点

Aviciiが死んだ。スウェーデンの芸能家庭に生まれたおぼっちゃまということだが、若い頃より音楽の才能を発揮。澄んだ音にキレの良い歌詞、若さも手伝って、人気は高かった。単なる恵まれたおぼっちゃまだろうと揶揄する人もいるし、実際、自分もそう思っていた。ただ、金持ちボンが皆著名人になれるわけでもないし、成功するわけではない。

高齢化社会と言われる北欧で、若者人口は減少しているのに、世界的に活躍する若者も相応にいる。そのような若者を見るのは、嫉妬の感情や羨望もないわけではないが、何よりも尊敬の気持ちが強い。特にAviciiの音楽は、パーティ音楽にも関わらずちょっと哲学的で透明で、聞いていても暴力的になったり破壊的な感情に惹かれることが無い気がする。

続きを読む

Bevarに行って来た

f:id:jensens:20180416055641j:image

最近好きなコペンハーゲンのストリートの一つがRavnsborggade。近くには、大好きなエチオピア料理もあるし(エチオピア料理@コペンハーゲン - 北欧生活研究所)、カフェや特徴のあるワインセレクションのお店やら雑多かつ和やかな雰囲気を漂わせている。のんびりMacを広げて作業している人やミーティング中の人、親しげに語り合っている人。HPには、ここぞとばかりにHygge(ヒュッゲ)の文字。確かに、ヒュッゲリだ。

続きを読む

デンマークの市民プール

f:id:jensens:20180412164112j:image

デンマークの各都市にはその地域の室内市民プールがある。プールだけではなくて市民運動センターや体育館として室内競技ができるかなり広いエリアがある場合もある。アクセスもしやすいし、利用可能時間も長い。我が家の近くは、週に2回夜の22:00まで、週に2回夜の20:00時まで空いている(KildeskovshallenのHP)。デンマークとしては、かなり頑張っている。

続きを読む

小さな成功を積み重ねる

f:id:jensens:20180412163103j:image

とある日本企業とのリビングラボ共同研究のまとめが佳境に入っている。リビングラボを実施する際に気をつけるべき項目を冊子にまとめているんだが、その一つに「小さな成功体験を積み上げる」といった意味合いの項目がある。

新しい挑戦があまりなく、小さな成功を積み重ねることが何となく日常でなくなってきた今、この項目の英語化を進めながら、"最近は、子供の時のように成功体験を積み重ねるという実感があまりないな"と改めて確認して寂しく思っていた。

ただ、今日ちょっとしたことで達成感を感じることができて、恥ずかしながらとてもいい気分なので調子に乗って、記録をしておく。

 期待されすぎても困るので、先にネタバラシをしておくと…、ターンができるようになった!!!...それだけなんだけれども今日は最高の1日だっ。

続きを読む

ポジティブリサーチャー

f:id:jensens:20180326092723j:plain

公開レクチャの呼びかけ

新しく大学を移り、今までなかったイベントが色々と目白押しだ。正確には、新しい大学にも2016年からプロジェクトを持っていたので、完全に環境を知らなかったわけではないけれども。

今回参加したのは、学際分野で研究をする場合、どのように研究を進め、キャリアを積んでいったらいいのか、複数の学問分野に渡って学際研究を進めて結果も出している(論文を大量に出している)大物教授Jan Dulがしてくれたレクチャー。

かなりアットホームな環境で、ゆっくりと質問を挟みながら進められたレクチャーは、老齢の教授の人柄が滲み出るものだった。驚くほど純粋でポジティブな研究への姿勢が伝わってきて、いや、なんと言うか、感銘を受けた。

続きを読む