北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークでは減税に反対が起きる

現在、デンマークにおいては、現与党により、提出された経済改革案が議論されている。この提出された経済改革案の一部に減税案があるのだけれど、驚いたことがある。世論調査で、50%が減税に反対という結果がでているのだ。減税になって嬉しいと考えるのが普通だと思うのだが、そうでもないらしい。どうやら、減税になって国家の税収が減り、社会保障の質が下がることになることを恐れているようだ。
どうやら反対する人たちは、それほど税金を納めていない人。大して収入が高くないので、税金もそれほど払わなくて済んでいる。にもかかわらず、教育費無料、医療費ほぼ無料ということで、働いて得られる以上に、社会保障の恩恵を受けている。たしかに、そのような人たちにとって、社会保障の質の方が重要だということは納得がいく。

現在の改革案で、最高税率を払わねばならない人の数が14万人減るという算出だが、非常に好ましいことだと考えている。DRニュースによると、産婆などでも、少し余分に働くだけで、最高税率が当てはまる最高所得レベルに達してしまうという。産婆という職は、デンマークでは、かなりレベルが高く人気職種であるということもあるようだが、それでも、最高税率になるのは、不自然な気がするのだ。

デンマークは、社会民主主義の国、といわれる。公共サービスが行き届き、更に、市場経済も取り入れる。上手くいけば、ユートピアなのだが、働けば働くほどたくさん取られるというのは、やはり納得がいかないのである。