9月15日のデンマーク日刊経済紙ボアセン(Børsen)の見開きで「決済システムが現金を墓場に葬る(Betalings-apps vil sende kontanter i graven)」と題した記事が掲載されていた。
この記事、デンマークで利用が急速に伸びているモバイルペイなどの少額決済市場について最近発表されたレポートに基づいているものなんだけれども、デンマークでは、現金を使わない生活がもうそこまで来ているんじゃないかって話だ。
デンマークでは、今まででもカード利用が盛んで、スーパーやコンビニなどでもカード利用が普通。ところがさらに、今まで、見逃されてたフリマや街中での街頭販売などの少額決済の市場に電子マネーが入り込んできて、その浸透具合が早すぎて驚かされる。
2年前は、一握りの人しか使ってなかったモバイルペイも、今では、レポートによると認知度90%なんだそうだ。本当に、デンマークの電子マネー周りは、この1−2年で大きく変わった。
今は、スマホのアプリで少額決済の仕組みを提供するモバイルペイが市場を席巻し(ほぼ独占)、現金を使わない生活がほぼ可能だ。自分(アラフォー)も含めて若い世代を中心に、現金を手にしない、使わない生活がさらに進展しているとレポートでは述べられているんだけれども、実感として本当、現金使わない。
最近のジョークとしてよく出てくるのの一つに「今、現金を使うのは、トレースされない現金を取り扱う必要がある闇業者のみ」なんてものもある。だって本当に必要ないから。あとは、「トレースできて、税務局も大喜び」とか。
哲学好きなデンマーク人は、物理的な紙幣やコインを鋳造し続ける意味は何か?そんな問いがネットで投げかけられたりしている。紙幣やコインの鋳造、もう意味なくない?なんて、不必要論が巻き起こっているのもデンマークらしい。トコトン利便性、効率性を重視する国、湿っぽい感情論になりにくい国デンマークは、一番初めに現金がなくなる国かも。