北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

発生から約250日後にようやく手術

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デンマークも先端国家の一つで、医療技術や措置に至っては安心できる、んだろうとおもう。この見上げている天井が半分壊れているとか、建物が吹きっさらしの草原に建てられ、外の風が感じられるテントだとか、そんな状況での手術でないことにただひたすら、感謝したい。麻酔室に案内された私はベッドに横たわって、そんなことを考えていた。

少し髭の生えたがっしり筋肉体型の男性が麻酔科医だと言って、挨拶に来た。その医師に手を取られ、運ばれた先でベットに横になり、天井を見つめる。麻酔科医は、緊張を解こうとしてくれているのだろう。私の手の甲をパチパチ叩きながら、「僕は、人を正当な理由で叩けるんだぞ。これが仕事だからね。」と、(おそらく)術前ジョーク、そして右手の甲に麻酔薬の注入のための針が刺される。カズエちゃんだったら、なんて返すのかななんて思いながら、黙っていた。

手術の執刀医、その他担当医師が、挨拶に代わる代わる顔を覗き込みに来る。私の目を見るためもあるんだろうけれど、あまりにも近くに顔を寄せる。顔のシワを見ながら、この方は58歳ぐらいかな…、この人は60は入ってそうだ、なんて考えていたら、挨拶終了。どの方も女性で4人もいる。しかもかなり年配だ。

初めてというわけではないけれど、全身麻酔は、非常に興味深い。体が少しずつ包まれていき暖かくなって行く感覚で、麻酔が入ってくるのがわかる。ぼーっとしてきたな、と考えた次の瞬間のことは覚えていない。

どうやら手術は成功だったらしい。失明の危険性があるとか、レンズの挿入失敗の危険性があるとか事前の説明では、もちろんリスクをとことんいわれるわけだけれども、とりあえず、本日はこれにて終了。

目が覚めたときには、すでに旦那が脇にいて、その後、すぐに休憩室に連れて行かれた。飲み物・食事、好きな物をとっていいよと言われて、旦那が適当に見繕って、サンドイッチとヨーグルト、紅茶を持ってきてくれた。

手術を受けている時の記憶はない。気がついたら片目のレンズが変えられて、それすらも認識できず、こうしてまたこの日常にもどっている。現代医学はすごい。