北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークで手術再び

f:id:jensens:20170624230151j:image4月にデンマークで再度眼科の手術をし、早2ヶ月。落ち着くまでには、4-5ヶ月かかりますよ、と言われているけれども、術後は順調だ。視野の左部は未だに二重に見えるし、午後に30分休息が必要なのはいまだに変わらない。ただ、正面の像がダブって見えないのは、数年ぶり。世界の見え方が、文字通り一気に変わった。完全に回復することはおそらくないんだろうと、現実を突きつけられた気分ではあるが、それでもはるかに快適な毎日になったのは、喜ばしいことだ。ご心配をおかけしている皆様、いつも気にかけてくださってありがとうございます。私よりもはるかに大変な状況にいる人が、ごまんといることの世の中で、より多くの人が、もっと健康で幸せでいられるように、願わずにはいられない。

 遡ること、イースター明けの4月18日。MRIの診断結果を聞きに、Glostrup病院(コペンハーゲンエリアで眼科が集約されている病院)に行った。「見たい状況は見られた。手術の準備は万全で、今待ち時間は12ヶ月だけれども、できれば…確約はできないけれども…夏前には手術ができればいいと思う」。そう言われた私は、「待ち時間12ヶ月」を再び突きつけられて、やるせなさ一杯で帰宅したことをよく覚えている。

翌日、仕事中に発信者非通知の電話が鳴り、なんとなく取らなくてはいけない予感がして取ったら、病院からだった。「明日手術室が空いたということです。明日、手術したいですか?」夏前には手術がしたいと言われていたものの、通常のウェイティングタイムは12ヶ月とも言われ、夏後になる可能性もあるんだろうなと思っていた矢先だったから、青天の霹靂。

4月20日、朝8:00に病院に着き、手術の説明や事前調査を経て、待合室についたのが11:00頃。その後すぐに手術室に呼ばれた。天井も壁もどこもかしこも真っ白だ。無機質とも言えるけれども、清潔感に溢れていて、これこそ病院。安心できる。硫黄島の映画で出て来たように戦場で手術する人もいるし、こうして砲弾の心配をすることもなく先進国の病院で手術を受ける人もいる。執刀医でもある担当医は、終始にこやかで手術の日もいつもと変わらない。穏やかな話し方。
それはともかく、全身麻酔を受けるのは、これで人生3回目だけれども、なぜ、こっちの麻酔医は、いつもガタイが良くて、ちょっと男前で、上腕にタトゥーを激しく入れているんだろう。これは、医師というか、まるでサーファーかヴァイキングだ。私服で街を歩いていたら避けるだろうな、こんな腕で掴まれたら、逃げられないだろうな、そんなことを考えている間に、麻酔の準備が着々と整えられて行く。
麻酔が身体に入ってくる感覚は決して悪いものじゃない。熱い夏の日に走り回った後に、冷たく冷えた麦茶を飲む感じ。冷たい液体が入ってくる感覚、すぐにカラダが、指先が温まって行く。手術室で覚えている最後の瞬間は、カラダが暖かくなってきた、と麻酔医に言ったこと。

次の瞬間、手術終わりましたよ、と言われて、気がついたら再び、待合室に通されていた。半分ぼんやりしながら、待合室のサンドイッチやヨーグルトをつまみ、しばらくしたら旦那が迎えに来てくれた。