北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

ヘルスケアイノベーションの今

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Healthcare Innovationというコペンハーゲン大学rsk Tårnetで開かれたヘルスケアイノベーション会議に参加してきた。デンマークのヘルスケア関連機関、大学、地方自治体、広域自治体が、一同に会す会議だ。以前参加したCPHヘルスイノベーション - 北欧生活研究所と同じくEUなんかからも資金が来ている参加無料(昼食、シャンパン付き!)!の会議だった。ちなみにこれはメモですので悪しからず。

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海外生活の心得


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海外生活、トータルで20年弱となった。幸いなことに滞在地は先進国ばかり(米国とスウェーデンデンマーク)で、特に危険を身近に感じたことはほぼ皆無だが、きな臭い話を欧州で聞くことが結構日常になってきたという感覚が正直なところだ。

危険そうに思えても大丈夫、特に日本人をはじめとしたアジア人にはトルコ系の人は優しいから…、そん風に聞かれれば答えていたけれども、やっぱりもうちょっと注意しようって思ったことがあった。きっかけは「ゴルゴ13✖️外務省」…。

実はデンマークでは、ここ最近ノアブロと呼ばれる地区で発砲事件がこの一年ほどで42件(昨日11月9日もあったらしい)、ギャング同士の抗争だが一般市民も巻き込まれてる。コペンハーゲンではまだ大掛かりなテロ事件は起きてないけれど、警戒レベルは上から2ランク目のsignificantに指定されているそうで、デンマーク国は今の国内の状況をそんな風に捉えているのかと、ちょっと背筋が寒い。

とは言っても、毎日の生活は平穏極まりなく、スリの心配を時折するぐらいなのだが…、頂いた日に一晩で「ゴルゴ13✖️外務省」完読。初ゴルゴ13でかなり戸惑いもあったのだが、外務省がどういう顔してゴルゴ13とのコラボに取り組んだのか考えながら読んでいるとおかしくて、しかも時折外務省文書が挟まれ、しつこいぐらい「たびレジ」説明があり、「在留届」出しなさい指令もあり、背後に見え隠れする会議@外務省(もしくはさいとう・たかをさんの自宅?)などをイメージしつつ…、書かれている内容も「襲撃されたときの初動体制(初動って何?!)ー最初の30分が勝負-」とか切実かつ実践的で、つまり、真剣に拝読しました。そして、改めて自分の身は自分で守れるようにしておかないと、と思わされた次第です。

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これからクリスマスシーズンに突入するし、いつ車が歩道に突っ込んんでくるかわからないので、十分用心して毎日過ごしたいと思います。

欧州在住者も平和ボケのみなさんにもおススメです。読むと身が引き締まること間違いなし。

 

 

 

 

デンマークの歴史入門

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デンマーク国営テレビ局(DR)が放送していた全10回のHistorien om Danmark(デンマークの歴史)が終了した。そして最終回で炎上した。

この番組、いわゆるデンマークの歴史ドキュメンタリなんだが、涙が出るぐらい作りが秀逸だ。DRの資金力と企画力のメディア魂を感じさせられる。こんな高品質の映像が作られるのであれば、受信料を取られても全然オッケー。

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デンマーク税務局の創造性

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高福祉高負担社会デンマークの中心になっているのが税金。税金を確実に集めることなしにデンマークの社会は成り立たない。だからこそ、確実に正確に納税を果たしてもらうために多くの努力が払われている。その中心となっているのがSKAT(税務局)だ。確実な収税の要となっているのがITシステムで、IT無くして現在のSKATは成り立たない。そして、デンマーク電子政府システムは世界の中でも先端を行っていると言われるが、その中でも尖って先端を行っているのが税務局なんじゃないだろうか。使い勝手を向上させるためペルソナや参加型デザインを駆使し市民を巻き込み、利用者の話を聞き、デザインの改良を加え続け、現在のシンプルかつ、利用促進するデザインになっている。トップ画面はまことにシンプルで市民と企業のログイン画面が中心で悩みようがない。可視化はできないけれども、見えない仕組みの部分も詳細をうまく機能させるためのかなり尖った唸らせる工夫が満載で、税システムやITが大好きなオタクたちがこの組織にはたくさんいるんだろうなと、思わず笑みが漏れてくる。SKATに30年勤めているBoさんの話を聞いていると、もしかしたらガラパゴスなのかもしれないと思わされるのだけれども...(これに関しては後述)。

機会を得てSKATを訪問し、税務関連業務や徴税の電子化にまつわるいくつか興味深い事実を知った。

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明日死ぬかもしれない

f:id:jensens:20171024031935j:image函館に着いてすぐ、地図を見たときに「トラピスト修道院」という文字が目についた。中高学園祭などで必ず売られていたクッキーの販売元が「トラピスト修道院」で、素朴ながら後をひく味のクッキーだが、修道士が作っているという売り込み(未確認)。

言われてみれば「トラピスト」は函館にあると聞いていたような気がするのだが、名前を見た途端に懐かしさが込み上げてきて、函館滞在中に時間ができたら行くしかないだろうとバスの時間を調べたりしてみたりして準備は万端だ。

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日本デザイン学会参加(と考察)

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2017年度デザイン学会秋季大会のテーマ討論会に上平先生(発表資料←相変わらず見易い素晴らしい資料)らと招聘されて、函館に行ってきた。企画テーマ「共創・当事者デザイン」、当事者と共にデザインすることの意味。大会委員長岡本先生とCo Design関連でご一緒する機会が多々あり、今回の招聘に相成った。函館は初めての訪問地、そして好物海産物エリアということもあり、自分としてもかなり盛り上がっていたけれども、いやはや久しぶりの日本の学会自体がとても楽しかった。

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VeVe:菜採バンザイ

f:id:jensens:20170811213021j:imageたまたまベジタリアンの友人が多くて、彼女らとどこにいけるだろうとレストランを探していた時に、全く聞いたことがなかったけれども、評判がとてもよいというこのVeVeの存在を知った。わたしの指南書北欧のレストランガイドWhite Guide | The best restaurants in the Nordicsでも高評価だ。

f:id:jensens:20170811210022j:imageまだ夏のとある日にようやく予約が取れて行った店は、一目で恋に落ちてしまう透明な空気を醸し出す素敵な空間だった。アペリティフジントニックを薦められた時には、なぜここにもっと早く来なかったんだろうと、それだけで印象アップ。最近ノルディックジンやノルディックトニックなどが出てきて、味比べを楽しんでる。

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まずスタータ、お通しとして出てきた6作品群が、VeVeの親分肌のレストランKIIN KIINの影響もあるんだろうアジアテイスト満載で、海苔に包まれた一品と出汁スープ?(Slurp of the ocean)やら、カレーテイストのミニコロッケ(Crouette)など、温かいもの、サクサクのもの...舌触りや香り、温度が工夫されていて、五感で味わわせてくれる、それだけでノックアウトされた。

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写真がうまく撮れなくて残念だが、トマトサラダと名付けられた一品。これも五感に響く一品。一つの皿で、様々な食感を楽しませてくれる料理は久しぶりだ。

Pers, mint & lemongrass with butter source。f:id:jensens:20170811213106j:image

Carrot and Tamarind....そう...何を隠そう、これは人参が主の一品。新北欧料理ではデンマークを代表する根野菜人参が主役の場合は多いのだけれども、さすがのアジアンテースト。f:id:jensens:20170811213110j:image

Smoked radish & Lancashire Cheddarは、もちろんデンマークラディッシュ。葉っぱまで美味しい。

f:id:jensens:20170811213130j:imageそしてNew Massaman potatoes. デンマークといえばじゃがいも。いや、このじゃがいもが美味しいのなんのって。程よく硬くじゃがいもにつけて食べるソースもコッテリとしっかりした味付け。 

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締めくくりはコレデモカッと次から次へと出てくる甘味の数々。それも、擬隠し。名前がシンプルすぎて笑えた。Cinamon in cinnamon、stoned grapes、Roses in rosesとか。

 

ベジタリアン料理ということで、お腹がいっぱいになるんだろうかと疑問に思う人もいるだろうが、このレストランではそれは心配ない。とはいえ、のんびりお酒と会話を楽しみつつ、食事をつまむ感覚が一番合っている。

食事には驚きが、空間には心地よさが。サービスはピリッとしつつも、全体的にはリラックス感も充満している良いレストランだった。次は雪の深い日にのんびり時間を過ごしに行きたい。