北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

教える人の気持ち

最近、彼が専門外のOOP(オブジェクトオリエンティッドプログラミング)の授業をする事になった。専門外でも、コンピュータ言語をやっている人ならば、ある程度は、理解出来るらしい。それは、よし。専門外で、ブルー入っていたけれど、まぁしょうがない。

でも、問題は、そのクラスには、コンピュータの学部卒業した人と、まるっきり文科系の人たちが同居していること。

どうやって説明しようか、数ヶ月前からすごーく悩んでいた。
第一回目の授業のパワポも、一週間はかけていただろうか。

で、初日。

二兎追うものは一兎も得ず。両方の学生を喜ばせようと苦心惨憺の準備の結果は、散々。授業の後に、「判った?感想は?」と、聞く彼に生徒が、「すごくつまらなかった」「何も得るものがなかった」

国の違いだと思うけれど、デンマークの学生は意見をはっきりと言う。授業に出ると、どちらが先生か判らないぐらい、偉そうな学生が沢山いる。それだけ、先生も真剣な人が多く、生徒の評価もきちんと受ける。ヒエラルキーが全くない学校は、スカンジナビアぐらいじゃないだろうか。

その後、彼がへこんでいたのは言うまでもない。でも、反応がすごく悪いクラスで、雰囲気が良くなかったという。しょうがないよ...でも、頑張っていたじゃない!と言っては見たものの、悩んでいる彼を見て辛かった。

このクラスは、数週間続くクラスで、次に、彼はやり方を変えて授業に臨んだ。その方法は、それほど準備に時間がかからなくて、初日の授業準備に悩んだ時間と、スライド作成にかけた時間を考えると、天と地程の差で、彼は大部楽をしていた。

結果?生徒喜んでいたらしい。

学生の頃は,考えなかったけれど、先生の中にも熱心な先生と適当な先生がいる。熱心であればある程、空回りする事も、生徒の反応にへこむ事もある。彼の気分の浮き沈みを見ていて、すごく純粋だな、って思うとともに、かつての自分の先生への失礼な態度を思い出してしまった。それにしても、頑張った結果の評価がよくなくて、肩の力を下ろして、時間をかけずに準備した方が好評価を受けるってどういう事なんだ?