北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

休息の取り方@デンマーク

f:id:jensens:20170408013715j:image現在、受け持っているクラスConcept Development with Industryという、企業と一緒に新しいサービスやプロダクトのコンセプトを考えるという授業には、デンマーク人60名ほどと、ジョージアテックの学生数名、日本人一人の交換留学生が履修している。

生徒のリアクションは、初めの頃は非常に静かで、デンマークの学生にしては、反応が少ないと逆に不安に思ったりしていたのだけれども、最近は、ようやく調子付いてきたデンマーク人らしく反応が聞かれるようになってきた。

前回の授業では、学生の発表で11グループが、5分発表、5分講評のセッションをこなしていった。各チームの発表は5分でも、結局、間7分の休憩を取り、合計2時間15分ぐらいかかってしまった。

最後に、「今日のセッションはどうだったか、来年度の授業をよりよくするために何かコメントはないか?」と尋ねたところ、「休憩がないのはよくない。最後はもう疲れて、聞く気も起こらなかった。」と、休憩なく(正確にはなかった訳ではないが、疲れを取るには7分では足りないということだろう)発表を聞き続けなくてはならなかったことに対するコメントがまず出された。理由づけとしては、休憩なく人間が集中できる時間には限りがある、という最もな点が指摘された。

私は、休憩を意識的に取ろうと心がけないと、集中しすぎて休憩を取るのを忘れ、あとで頭痛がする状態によくなってしまう。また、学生から大切な人生の過ごし方のコツを学んだ気分だ。

その後こんなコメントが出された。「最後の発表の人は疲れていて、さらに聞いてももらえず可哀想」「他の人の発表を聞いても、自分たちのチームの課題と違いすぎていて意味がない」「せめて半分ずつに分けて学生の参加時間の負担を減らすべきだ」「先生が全部講評知ればいいわけで、学生に全て参加させても意味がない」など。これらコメントに関しては、あえてノーコメント。

他のチームがどのようにやっているのか、他のチームの進捗を知ったり、やり方を見たりするのはとても重要だと思う、だからこそ全て聞け、参加必修、これが学ぶということである、という私の論理は、どうも彼らには訴求しなかったようだ。

彼らの意見を聞いていて、実際、苛立ちを感じたのは否めないのだが、妙に感心してしまったことも確かだ。働き方、生き方 で述べたように、デンマーク人の効率的な働き方や、合理性の追求や、無駄をとことん省く点は、感嘆ものだと思っている。このような姿勢が浸透しているからこそ、労働時間が少なくて済むんだろうか。

周りを見ていると、自分に不必要であると(自己)判断すれば、全体ミーティングも出席しないし、周囲への理由も「不必要だから」で済んでしまう。周りも多分オッケー。

そんなもんでいいんだと思う反面、本当に学習したかったら、一見無駄に思えることを無視してはいけないと思う自分がいる。急がば回れで、たくさん見て、吸収するのも必要だと思う私がいる。

 

jensens.hatenablog.com