北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

デンマークに住む方法

海外に住んでみたいという希望はたくさんの人が持っていると思うのだけれど、実際にどんな方法があるんだろうとふと考えてみました。合法的に住むのは、だいたい以下の5つの方法に集約されるかと思います。どれも、「必ず可能」というわけではありませんし、情報は逐一代わりますので、そのあたりはご了承くださいね。

1 デンマーク人と結婚する
デンマーク人口は500万人なので、もしデンマーク人と結婚することになったら、私の以前のボスにいわせれば、「ロシアンルーレットに当たった日本人女性」、ということになるのだけれど、この方法でデンマークに住んでいる日本人が一番多いのではないかと、回りを見ていて思うのです。ただ、デンマークが好きで、たまたまデンマーク人と結婚したのだといいのですけれど、なにせ、日本人にとっては外国。しかも、ヨーロッパですから、ヨーロッパに住んでいるアジア人という立場が辛くなる人も。また、デンマーク人と結婚しても、日本に住み続ける人や、第三国に住んでいる人もいるでしょうし、必ずしもデンマーク在住になるとは限りません。結局どこに住むかは、そのカップルしだいということになりますよね。
所要期間は出会いから結婚までの道のりとデンマーク政府から家族ビザが発行されるまでの期間ということになりますから、最短で3ヶ月+3ヶ月ぐらいでしょうか。非常に適当な概算ですが。

2 現地の仕事を探す。
2.1 現地に本社や支社がある会社に入社し赴任させてもらう。中でも、デンマークで非常に評価されているが、日本ではそれほど知られていないデンマーク企業は多々ある(マースクやNovoが代表的)ので、それら企業が狙い目かと。ただ、必ずしも赴任させてもらえるかどうかは保証の限りではありませんのであしからず。 
所要時間は、まず雇用されること、赴任させられることが必要ですから、最短かつ超楽観すれば、研修などで赴任させてもらえるかもしれないので、1ヶ月+3ヶ月ぐらい。ただ、研修の場合は、最長でも3ヶ月ぐらいでしょうし、3ヶ月であれば、日本国籍保有者は、旅行としてVisaなしでスカンジナビアには滞在できるので、良い方法かどうか。長期的(1−3年)赴任しているエキスパットの話も聞きますので、入社し、しばらく日本で働き、赴任希望を出し続ける入社5年目で赴任させてもらうといったような5年計画ぐらいが一番可能性がありそうですね。

2.2 オンラインで公募されている職に応募する。デンマークだけでなく、スカンジナビア、EU全体で、職がオンラインで公募されているケースを良く見かけます。特に国際企業で、デンマークにも支社があるといった企業などは狙い目(マイクロソフトなど)。
所要時間は、自分にあった職が公募されていれば、就職活動から派遣されるまで6ヶ月ぐらいでしょうか。

2.3 オペアを探す。デンマークでは、オペアという家政婦のような職が外国人に開放されていて、相手の家族と合意が成立すれば居住許可はデンマーク政府から付与されるようです(労働許可はもらえないが、オペアの仕事はその限りではない。つまり、オペアは、仕事ではなくて、家族の一員として過ごすということであり、食事を作ったり選択掃除をすることは、家族内での手伝いをすること、と定義されているようです。)。専門のWEBサイトなどで、オペアを雇いたいというデンマーク人家庭をまず探す必要がありますが、うまく会えた場合には、安価なバイト代をもらいつつ、家や食べ物は相手の家族持ちでデンマーク生活ができます。
所要時間は、うまくいって3ヶ月ぐらい。オペアとしてデンマークに滞在できるのは1年半までです。

2.4 専門を持ちデンマークで働いている人もいます。オペラ歌手、バイオリンやピアノといった楽器奏者でデンマークの楽団に所属している方、バレエダンサーとして活躍している方など。

3 学校に行く(正規留学)
デンマークの学校の中には、英語の授業を行っている場所もありますから、デンマーク語が話せなくても正規留学することは可能でしょう。デンマークの教育は基本的に無料であったのですが、去年の秋ぐらいからEU外の外国人は授業料の納入が必要になっているようです。留学の際には、国費留学、私設奨学金を取っての留学、私費留学が考えられます。博士課程は、安価ですがお給料が支払われる「仕事」扱いになり、各大学がWEBなどで公募をかけることもあります。自分で、国費や私設奨学金を取って、博士課程に在籍することも可能です。アメリカ留学などに比べれば授業料は安価ですが、私個人の経験から言って、デンマークに関わらない分野のための留学なのであれば、やはりイギリスやアメリカをお勧めしたいです。
留学については、日本学生支援機構が情報提供していますが、データが古いですね...
所要時間は、英語などの資格試験を取る大学に直接入学申請をするなどを考えると1年は準備に必要でしょう。

4 学校に行く(短期留学)
社会人学校(Folkeskole)への留学(3ヶ月ほど)や、セメスター留学、自分の所属大学の短期交換留学制度(3ヶ月から1年)を利用する。短期留学の場合、単なる聴講生としてであったり、単位が取れる場合があったりするので、目的をよく考えることが必要でしょう。オーフス大学は、ゲスト学生として2年間まで滞在はできるとのこと(ただし学位の取得は不可)。
デンマークへの交換留学制度は、以外に多種多様な大学にあるようです。一部例を挙げると、神戸大学オーフス大学東北芸術工科大学デンマーク王立美術アカデミーなど。
所要時間は、6ヶ月ぐらいでしょうか。学校の交換留学制度を利用するにしても、語学試験を受けたり、大学に申請する必要がありますから。ただ、面倒くさいVisaなどは、所属大学が親身に教えてくれる可能性大。

5 ワーキングホリデーを利用する
2007年10 月から始まったワーキングホリデーの仕組みは、デンマーク政府と日本政府の協定により 導入されています。詳しくは、在デンマーク日本大使館デンマーク外務省を参照のこと。年齢制限やその他の制限があるので、要確認です。手続きにどれぐらい時間がかかるのかわかりませんが、滞在可能期間は1年間です。

現在のところ、建築・デザイン・デンマーク語・デンマーク社会などに興味がある人(さらに、デンマーク人の恋人がいる人とか)がこの仕組みを使っているようですが、どうやら、今は、仕事探しが非常に困難な様子。金融危機がこんなところにまで波及しているんですね…。