北欧生活研究所

北欧在住13年。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

認知症のためのデザイン:Dementia Lab

ベルギーLUCA School of Arts, ベルギー認知症研究所のNiels HendriksとAndres Wilkinsonが主催するDemntia Lab 2017に参加してきた。テーマは、Stories from Design and Research。そして中心になっているのは「Design for and with Dementia」 。つまり認知症を患っている人たちと一緒にデザインしていこう!ってことだ。私は、まだまだ認知症については初心者に近く、身近に認知症を患っている人もいないこともあり、主体的に認知症について考えることはまだまだ難しい。でもこの拡大する一方の社会に問題に対して、解決策をデザインの観点から見つけ出すという可能性には予想外にワクワクさせられた。そして、デザインによって解決策を探っている研究者と実践者たちの熱意には、感動すら覚えた。

幾つか考えたことがある。

一つは、認知症を取り巻く現在の環境には日本と欧州で類似点も相違点もあるということだ。死に対する考えは、まだ日本の方が抵抗なく受け入れられているようで、良い最期を迎えようという姿勢は、死を迎える時の準備ノートの類が流行ったり、葬式の映画が注目されたりすることからももうちょっと身近にある気がする。皆、生きている以上そのうち死ぬわけで、尊厳のある死を迎えたいということは、世界の何処にいても同じだ、認知能力があれば。尊厳ある死を迎えたいと思っていても、認知症患者にとっては難しい選択になってしまう。その時にどうするかということは、逆に日本ではあまり話されてないのかも。オランダでは、自殺幇助が認められているので、そんな話題が盛り上がっているという。

認知症患者は、子供に戻ったかのように様々なことに理解が追いつかなくなっていったり、怒りを爆発させたりする。が、すでに子供ではないところが難しい。学会で出会ったActive Mindは、認知症患者向けのアクティビティを助けるツールをデザインし販売しているのであるが、「ビジネス界で活躍していた祖父の変化に衝撃を受けた」創始者の想いが詰まった社会派の企業だ。愛する家族や友人が子供のような態度を取った時の衝撃と、子供相手のように誤魔化してしまえないもどかしさと。

折しも数日前、暴言、名言を繰り返してきていたデンマークの女王の夫君、ヘンリック王子が、認知症と診断された。目に余る言動に批判を繰り返してきたメディアがこぞって、「ごめんなさい」と述べていたのも興味深い。