フィンランドのアールト大学で参加型デザインの研究をし、現在は、オウル大学に移っているヨハンナさんが「拡張参加型デザインExpanded Participatory Design」と題して研究発表をした。彼女が言っているExpanded Particpatory Designというのは、ITシステムを市民を巻き込んで構築する(トップダウン)ばかりでなく、アクティブユーザが作り上げる自律コミュニティ(citizen self-organization)を中核として、その後の使い勝手の改良をも進めていっているようなコミュニティにおける自律的参加型デザインのこと。公式な(研究資金をもらって進めているような)ITプロジェクトから自律的、かつunofficialなITプロジェクトになっている事例をあげて、Expanded Participatory Designと呼んでいる。これは、user-drivenと言い換える事もできるだろうか。そのような自律的なITサービスやシステム開発をどのようにICTで支援できるか、これは今後もとっても重要になっていくことだろう。
自律的に始まったものの例として挙げていた中でもCleaning Day(Homepage - Siivouspäivä)の事例が面白かった。初めはイリーガルに行われていたHelsinki市内での物々交換販売フリーマーケットが、フェイスブックやメイルチンプなどのITのサポートを受け、最終的には市にもサポートされるようになり、自律運営が継続されているというものだ。
続きを読む