北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

王立大学の卒業展2017

f:id:jensens:20170708012609j:imageちょっと時間ができたので、クリスチャンスハウンと呼ばれる昔倉庫街だったエリアに並ぶ王立建築・デザイン・修復スクールの卒業展をのぞいてきた。卒業展「Afgangsudstilling Sommer 2017 | KADK」は、王立大学の建築・デザイン・修復コースが同時期に行なっていて、例年の大規模なイベントとなっている。

 f:id:jensens:20170708012630j:image建築やデザイン系などの卒業展示もとても力入っていて興味深いものがたくさんあった。街づくり系の提案やマテリアルの提案がされている展示などの中には、現実的なものから未来志向のものまで多々ある。中でも私が目指していたのは、参加型デザインで社会課題に取り組む一連のプロジェクトの展示だ。

 f:id:jensens:20170708012733j:image睡眠障害を抱えている高齢者により良い入眠を誘うためのプロセス提案だとか、食品の安全性に的を絞り、食品の添加物を可視化するなどの提案をしているものもある。

f:id:jensens:20170708012759j:imagef:id:jensens:20170708012825j:image韓国人の学生が卒業プロジェクトととして実施していたクラスの団結力を高めるためのツールなどもとても面白い考えだと思った。新しくクラスが作られた時、また新しいクラスの友達が増えた時などに数時間-1日のセッションを実施してその中で使うツールという位置づけ、コンセプトらしい。お互いを知って、お互いの団体の中での役割を認識して、クラスでイジメを発生させない工夫。新しく入ってきた学生がクラスの中に溶け込む工夫などが、ツールとプロセスに織り込まれている。これって大学の授業とかでも十分に使えるかも。

参加型デザインは、デンマークでも手法として市民権を得ているけれども、それを体系的に学べるところは少ない。展示物を見ると社会課題にがっつり寄り添っていて、それなりの成果も出しているようだ。なのに、王立大学では、このCoDesign科目が閉鎖されるということでとても残念だ。

f:id:jensens:20170708012848j:imageコペンハーゲンの王立大学の卒業展Afgangsudstilling Sommer 2017 | KADKは、8月13日まで。同じようなデザイン系の卒業展が、コリングのデザインスクール(årets afgangsprojekter | Designskolen Kolding)でも実施されている。コリングのデザインスクールには、この夏卒業した知り合いがいて、その人の展示がされているので、そちらにも夏の間に行って見たいと思っている。