北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

意識変容

f:id:jensens:20170603153031j:image文化というのは、気がつかないうちに肌を透過し、体の隙間から少しずつ滑り込んでくる。自分も気がつかないうちに、変化は自分の一部になる。意識変容は、とある瞬間やとある時に起こるといったものではなくて、時間をかけてゆっくりと、本人が認識するまもなく忍び込んでくるものだと思う。多くの場合、自分の変化には気づかない。自分の意識が変わったということは、何らかのタイミングでブレークダウンが発生することで認識することになる。

最近、日本に1週間出張に行き、2人の子供をデンマークに置いてきた。日本には頻繁(年に数回)に、短期間だけれども戻っているので、それなりに日本の状況には通じているつもりだが、それでも「言い回し」「流行りの言葉」「考え方」などは、フォローアップできないことが多い。そして、今回、相手に言われて戸惑ったセリフの一つがこれだ。

相手「今回はどれぐらい滞在しているんですか?」
私「一週間ぐらいです」
相手「あ、お子さんは連れて来ているんですか?」
私 「いいえ、旦那が見ています」
相手「….えぇ?!…旦那さん、すごいですね」

一人だけでなく複数人としたこの会話。相手には、子供がいる方もいて、しかも頻繁に出張をしている方もいる。私の旦那も一週間程の出張は普通にするし、おそらく「相手」も長期出張される方も多いように見受けられる。「旦那さんすごいですね」という反応に「私もすごいです。」と言いたいのをぐっとこらえた。「私もすごいです、そしておそらく皆さんの奥さんもすごいです」と即時に言えなかった自分を反省している今日この頃。一週間1人で子育てをするのが大変なのは女性でも変わらないし、働いていれば特に、だ。

旦那にとって、一週間私がいないことによる負担は、通常私がする事項「お迎え」や「夕食の支度」などを自分がすることになること、話し相手がいないこと(本人談)。ただ私が出張から帰宅するとやはり洗濯は山積みで、部屋は(私が気になる部分が特に)掃除されてないことが多い。だから、帰宅後の私の負担は増加する。旦那の出張で、私が大変なのは、小さなサポート(ゴミ捨てやら、食器の片付けやら、子供対応やら)がなくなり、それをカバーするための日常の雑務で日々が過ぎてしまい、クオリティタイムの余裕がなくなること。日々に彩りを与える余裕がなくなることだ。

最近、多くの日本の友人(男性)も、子育てをしているようで、FBや言葉の端々から、日本の子育て環境も変わっていると感じていた。だからこそ、気がつかないうちに、デンマークと同じような反応を期待していたんだと思う。まず、そこから。ここから。